社長探究発表会、インターンシップ1日体験の振り返りまとめ
5月7日(水)に実施した社長探究発表会、6月10日(火)に実施したインターンシップ1日体験の振り返りを共有させていただきます。
※関連記事はこちら ⇒ 社長探究発表会 インターンシップ1日体験
今回の社長探究発表会、インターンシップ1日体験、および体験発表会を通して、生徒は多岐にわたる重要な学びと気づきを得ることができました。以下にその要点をまとめます。
1. 企業と社会課題への取り組みの理解
生徒は企業が単なる利益追求だけでなく、より良い社会の実現と社会課題の解決に深く関わっていることを学びました。
・社会課題への意識と活動: どの企業も顧客や地域を第一に考え、地域活性化や社会課題の解決に積極的に取り組んでいることが分かりました。例えば、群馬県の企業が地域とどのように関わっているかを深く知ることができました。
・課題の多様性と解決策: 環境問題(カーボンニュートラル、高断熱化、廃材再利用、省エネ、汚水処理など)、少子高齢化・過疎化、働き方(過重労働、人手不足、男女格差の解消、福利厚生)、地域社会(空き家問題、まちづくり、地域との連携、子供の非認知能力低下、不登校)、物流業界の課題 など、多種多様な社会課題が存在し、企業がそれぞれの専門性や視点を活かして様々な対策や工夫を凝らしていることが理解できました。
・協力と連携の重要性: 企業が単独で課題を解決するのではなく、他の企業や人々、地域と協力することの重要性を認識し、実際に連携して活動していることが分かりました。
2. 多様な働き方と職業理解の深化
生徒は、社会における職業の多様性と、働くことの意義について深い洞察を得ました。
・職業の多様性と役割: 世の中には数多くの職業があり、それぞれに役割と課題があることを知り、社会が成り立っているのはそれぞれの職業が役割を分担しているからだと学びました。
・働くことの意義とやりがい: 「仕事」は誰かや何かの役に立つためにあるものであり, 社員一人ひとりが責任を持って行動し、誰かのためを思って行動することが仕事のモチベーションになることを実感しました。働くことの大変さややりがいについても深く知ることができました。
・企業の経営と理念: 企業が掲げる経営理念や社是を深く理解し, 会社を運営することの難しさや、時代に合わせて常に変化し挑戦していく姿勢を知ることができました。
・性別や年齢に関わらない働き方: 工業系の仕事に対する固定概念が変わり、「女性が多い」という意外な点や、性別に関わらず働きやすい環境づくりの重要性を学びました。
3. 学びの機会とその価値の認識
今回の体験は生徒にとって実践的で多角的な学びの機会となりました。
・実践的な学習: 学校生活やインターネットで調べるだけでは見えてこない課題や、実際の会社の様子、取り組みを現場で見学したり体験したりすることで、より詳しく、具体的に学ぶことができました。特に、社長や現場で働く方々の生の声を聞くことで、ホームページだけでは分からない詳しいことや社長の思いを知ることができました。
・多様な視点の獲得: 今まで持っていた固定概念や偏見が変わり、様々な業種の人と話すことで自分では気づかなかった社会課題や考え方、新しい視点や価値観を得ることができました。
・振り返りと共有: 体験発表会では、自分の体験を伝えるだけでなく、他の企業に行った人たちの話を聞くことで、学びを深め、新たな情報を得ることができました。
4. 自身の成長と将来への示唆
生徒は、自己の成長を実感し、将来のキャリアについて考える貴重なきっかけを得ました。
・コミュニケーションの重要性: 業種に関わらず、多くの会社がコミュニケーションを大切にしていること、仕事において人との関係づくりが最も大切であることを実感しました。
・将来への示唆: 自身の将来の進路やキャリアについて深く考えるきっかけとなり、自分の興味のある分野だけでなく、これまで関心が薄かった分野にも選択肢が広がりました。
・主体的な学びの姿勢: ぼーっと生きるのではなく、身の回りの問題から社会課題を考え、解決に向けて挑戦し、経験を重ねることの重要性を学びました。また、受け身ではなく、自ら積極的に目標に向けて取り組む姿勢が大切だと感じました。
これらの学びは、今後の探究活動や社会に出たときに大いに役立つ貴重な経験となりました。
以上より、自分と社会をより良くしようと願う意志や原動力(エージェンシー)を育むものとして、大変有効であることが分かります。今後は10月上旬に行われる探究型インターンシップに繋げていきたいと思います。
≪参考≫群馬県が目指す学習者像 ※群馬県教育ビジョン(第4期群馬県教育振興基本計画)
・学習者像(1) 自らが主語となる学びをつくり、深めていく
・学習者像(2) 社会課題を自分事化して、行動に移す
・学習者像(3) 多様性を尊重し、互いに認め合う
・学習者像(4) 対話と交流により、信頼関係を築いていく
・学習者像(5) 生涯にわたり学び続ける喜びを実感し、共有していく