令和5年度 高女グローバル研修 in USA

 本校では、世界的な視野で物事を捉え、グローバル社会のリーダーとして活躍できる女性を目指すという趣旨のもと、「高女グローバル研修 in USA」を開催しています。この研修は、国際交流プログラムや語学研修・ホームステイを通して、世界各国の同世代の若者たちと触れ合い、多様な考え方や文化・価値観を理解することを目的としています。今回はコロナ禍が終わっての4年ぶりの開催で、1,2学年の希望生徒40名が参加しました。

 期日:12月10日(日)~12月20日(水)11日間

 研修場所:ボストン地区・ニューヨーク地区

 旅行会社の引率の方からの報告メールをもとに、現地での様子を以下にご紹介します。

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【12月18日(月)第9日目】

 とうとうアメリカで過ごす日々も最終日を迎えました。午前中は1945年に創設された平和機関である国連を訪れました。本日はあいにくの雨で加盟国の国旗を外で見ることはできませんでしたが、授業で習った場所に実際に訪れることができる貴重な機会に、生徒さんたちも興奮していました。中では3つのグループに分かれ、国連のスタッフが英語でガイドをしてくださいました。国連は平和と安全、人権や自由、経済、文化、環境などの難題の解決に向けて動いていることや、6つの機関で構成されていること、常任理事国の説明や投票の仕組みなどの概要をご説明いただきました。最近ではガザの解決に向けて会議を行い、戦争に終止符をうつための活動をメインで行っているそうです。特に今回は人権とSDGs、発展国の教育、兵器の撤去、核兵器撲滅の活動について詳しく話を聞きました。特に生徒さんたちは核兵器の話題に興味を示し、原爆投下の過ちを2度と繰り返さないために核兵器実験禁止を行っていること、人類のための核の使用等のレクチャーを受けました。運がよいことに、本日はスウェーデンの会議が行われており、会議の様子を見ることができました。また、国連総会本会議が行われる部屋も見ることができました。最後に「国連は世界政府ではない。平和や安全、人権のために活動はしているが、どうしても人間だから完璧にはできない。それでも、みなさんが世界のために何かしたいと思ったら、世界の人々と協力して活動していってください。」というメッセージをいただきました。中には英語で質問する生徒さんもおり、好奇心旺盛な姿にガイドさんも熱心に対応してくださいました。


世界の多様な人々との共生を表している
国連のモザイク画の説明を聞く

UN総会会議場にて
 

地雷撤去についての展示の説明を聞く

UNの旗についての説明を受ける

 

 午後はタイムズスクエアで班行動をしました。もともとNewYorkTimesの本社があり、その由来からタイムズスクエアと呼ばれるようになったそうです。続いてバッテリーパークから自由の女神を見ました。バッテリーとは「電池」の意味ではなく、「砲台」という意味だそうです。イギリスと戦争をしていた時代にそこに砲台があったため、その名が名付けられました。ちなみに「自由の女神」はフランスから送られたもので、銅板で造られているため、もともとは茶色だったという豆知識も得ました。グランドゼロでは、犠牲になった方の名前が刻まれたモニュメントを見学しました。中には水が流れているのですが、流れ着くところは見えません。それは一瞬にして亡くなった命がどこに行ったのか分からないということを表しているそうです。メモリアル博物館では9.11が時系列で説明してあり、実際に吹き飛んだ破片や曲がった鉄骨、犠牲者の写真などが飾られていました。衝撃的な当時の様子を語る実物に言葉が出ませんでした。それでも実際に起こったことは事実であり、2度と同じことが起こらないように、世界平和の重要性というものをあらためてかみしめました。日が暮れて、ライトアップされた頃、ブルックリン橋とマンハッタンの夜景が一望できる場所でNYの夜景を鑑賞しました。


バッテリーパークから自由の女神を背景に

ブルックリン橋の夜景をバックに

 

 その後、夕食会場の日系人協会のオフィスへ向かい、夕食後は大澤さんと群馬県出身の方7人を招いての座談会を行いました。ニューヨークにおいて様々な分野でご活躍の方々から、ニューヨークに住んで働くようになったきっかけやそれまで生活などについて等、貴重なお話やアドバイスをいただきました。弁護士や美容室のオーナー、ボランティア活動を行う方、インテリアデザイナーやアパレルメーカー、銀行で勤務されているから強いエールをいただき、生徒さんの志はさらに高まりました。代表の生徒さんからのお礼の挨拶の後に、高崎女子高校OGの方と一緒に校歌を歌いました。コロナ禍を経て、学校での校歌合唱ができなくなっていた時期がある中で、ひそかに練習したという三部合唱が美しく会場に響き渡り、一同感動しました。ニューヨークと高崎女子高校がつながった思いをいたしました。群馬県からこのアメリカ、ニューヨークに来ている方と研修の最後の晩に懇親を深めることができたことで、自分たちの研修で気付いた可能性や今後へのやる気を、今後のがんばる覚悟に変えられた夜のように思います。


大澤さんと群馬県出身の方へのお礼のプレゼント贈呈

高崎女子高校OGの方との校歌三部合唱

座談会に参加していただいた
群馬県出身の方との記念撮影

大澤さんが現地でおすすめの日系ケーキ屋さんに
作っていただいたスペシャルなケーキ

 

【12月17日(日)第8日目】

 本日は早朝にボストンに別れを告げ、バスでニューヨークへ移動しました。昨夜はホストファミリーと家族団欒の時間を過ごしました。初めはなかなかコミュニケーションが取れずに悩みを相談してきてくれたペアも、どうしたらホストファミリーと少しでも長く時間を過ごせるかを試行錯誤し、最終的には「今まで受け入れた中で1番いい生徒さんだった。ありがとう。」と言われたというお話を聞きました。一生懸命努力した結果、自分たちの力でかけがえのない家族をアメリカで得られたということを知り、嬉しさでいっぱいになりました。

 ニューヨークではまず、ロックフェラーセンター前の大きなクリスマスツリーを見ました。日本とは比較にならないほどの高いビルがいくつもそびえ立ち、その中にあるクリスマスツリーは、アメリカの経済力の高さを象徴していました。その後は、アジア料理の多いフードコートで、自分の好きな昼食をとりました。久しぶりの日本食に近い料理に生徒さんたちも満足していました。午後は、世界3大美術館の1つであるメトロポリタン美術館へ行きました。2時間のうち1時間は日本語のガイドさんがつき、有名な絵の説明をしてくださいました。紀元前15年に建てられたエジプトの神殿デンドゥール神殿から始まり、Tiffanyのステンドグラス、メトロポリタン美術館で1番大きな絵画であるジョージワシントンの絵画、世界でもメトロポリタン美術館でしか見ることのできないフェルメールの「眠る女」を見ました。そして最近改装されたばかりの印象派の部屋では、歴史や画家の一生など興味深い説明とともに、モネやゴッホ、ルノワールなど有名な絵画を堪能しました。

 滞在先のホテルで夕食を取り、本日のメインイベントである、高崎女子高校OGで現在NYキャリアアカデミー代表の大澤直美さんに講演会を行っていただきました。大澤さんの経歴と努力、行動力と思いを聞いた生徒さんたちは自分自身の現状と向き合うとともに、大澤さんのモチベーションと行動力はどこからくるのかという質問がたくさんでました。大澤さんは群馬県出身ということも誇りに思っており、ニューヨーク群馬県人会代表でもあります。会を立ち上げたきっかけは自分自身のアメリカでの挑戦とも強く関係しており「日本とアメリカどちらで挑戦しようか考えた時に、日本ではいつでも挑戦できるが、アメリカで挑戦することができるのは今しかない。しかし、日本との繋がりさらに群馬との繋がりは切りたくなく、立ち上げを決意した。」との言葉に、生徒さんも遠くの存在に感じた大澤さんを少し身近に感じることができました。大澤さんから高崎女子高校の皆さんには4つのメッセージが送られました。「Glass is alway shalffull 半分の水が入っているグラスを、半分も入っているととらえるか、半分しか入っていないと捉えるかは自分次第。」「いつでも自分に正直に」「後悔しないように生きる」「感謝のエネルギー」これらを大切に先輩として可能性を大切にしてほしいという言葉は生徒さんの心に強く響きました。最後は生徒がお礼の言葉を述べ本日の講演会は終了しました。途切れることのない質問が時間いっぱい続き、感動で泣きながら大澤さんにお礼を述べる生徒もいました。生徒の胸に強く熱く響いた講演会となりました。ハードスケジュールを自ら積極的にこなしている生徒さんに敬意を表します。


NY到着

ロックフェラーセンター前のクリスマスツリー

メトロポリタン美術館にて
館内最大のワシントン大統領の絵画を鑑賞する生徒

ゴッホの絵画を鑑賞する生徒
 

大澤さんの講演会

 

【12月16日(土)第7日目】

 本日は一日班別自主研修でした。朝集合場所に集まると、自ら友達同士英語で会話する生徒さんが見られました。昨日で語学学校は終わりましたが、自主的に生きた英語を習得しようとする志の高さに感心しました。それぞれ班員が揃うと、事前に決めた目的地へ地下鉄とバスを利用し、向かいました。今日はボストン茶会事件250周年の記念日。町には、当時の恰好かつら)をした人も繰り出す中、ボストン茶会事件博物館では無料ツアーも実施されていました。そのツアーで実際にお茶袋を投げたりした班、科学博物館で英語で科学の不思議を学ぶ班、プルデンシャルタワーで7日間滞在したボストンを一望する班、ボストン・コモンの自然の中でアイススケートをし異文化を体験する班等様々な場所で自分たちの計画した研修を行いました。お昼はクインシーマーケットでボストン名物クラムチャウダーやロブスターロールを堪能した班が多かったです。午後の活動を終え、いよいよ集合時間16:00、全員時間内に集合することができました。時間を守ること、計画的に協力して行動することは社会に出た時にも大切なことで、今からその力を持っているという証明したみなさんの将来が非常に楽しみです。そして、今日はホストファミリーと過ごす最終日でもありました。家族と最後の時間を過ごし、感謝の気持ちを伝えられたでしょうか。これからもホストファミリーと連絡を取り続け、また数年後に再会できると嬉しいです。


地下鉄にて

クインシーマーケット前

クインシーマーケットでお昼休憩

外国のクリスマスを体験する様子

ボストンの街中をバックに

 

 明日はいよいよボストンを出発し、ニューヨークへ向かいます。一番早い班は4:30にピックアップのバスが向かいます。メトロポリタン美術館を訪れたり、このプログラムの創設者の一人でもある卒業生の講演を聞く機会もあったりと、また新しい環境で、異文化理解、そして将来のことを考える機会となってほしいと願っています。

【12月15日(金)第6日目】

 本日は語学学校最終日でした。「あっという間に語学学校での時間が過ぎた。最終日だから特に頑張る。」と言い、教室へと最後の授業を受けに入っていきました。テストを受けるクラス、英語で英文法の説明を受けるクラス、良い嘘と悪い嘘について話し合うクラス、TED Talkを見て意見を言い合いクラス、それぞれが全力を尽くして最後の授業に取り組んでいきました。Farewell partyでは軽食とともに、他国からの留学生と交流し別れを惜しみました。自ら話しかけて写真を撮ったり、日本からのお土産をあげたり、SNSのアカウントを聞いたりしました。今までは他国の留学生との話があまり続かずに悔しい思いをした生徒さんも、話が盛り上がり楽しい時間を過ごしました。

 校長先生の Mikeがお別れの言葉を述べ、それに応えて生徒が英語でお礼のスピーチとこれからの決意を述べました。一人一人が修了証をもらい、今日までの語学学校での頑張りを噛み締めていました。午後は、再びHarvardへ行き、今回はHarvard Business School の日本人学生4名がキャンパスを案内してくれました。なかなか中に入ることのできない Harvard大学に足を踏み入れ、風格ある建物に囲まれた中庭の中を圧倒されながら歩きました。実際に学生が使用する教室で、どのような講義が繰り広げられているのかを聞くことができました。講義は予習が必須で、授業では内容が分かっていること前提に行われます。 色々な企業のケースを例にディスカッションをし、成績の50%は発言点が占めます。後ろに議事録を取る人がおり、その人が発言回数をカウントしているそうです。アメリカ人をはじめとして、多国籍の人との授業の中で対等に自分の意見を発信できるかは、予習にどれだけ時間をかけるかにかかっています。90分の授業のために、3時間予習に時間をかけるそうです。いつか自分が学生として同じ場所に戻って来られる日を夢見て、勉強への意識がより高まりました。


Farewell PartyでのMike校長のスピーチ

Harvard Business School訪問

キャンパスを案内してくださった日本人学生

 

 最終的に女性の方を含め5人のHarvard大学business schoolの学生とカフェテリアで座談会を行いました。現地の生活や授業内容、経歴等をテーブルごとにグループになってそれぞれお話しいただき、生徒さんからも質問が止まりませんでした。やはり、生徒さんが気になる内容は英語学習でした。語学学校で自分の英語力を知ると同時に、もっと英語力をつけたい、そのためにはどうすれば大学の授業を英語で理解できるのかということを質問し、それぞれの経験を詳しく聞きました。最後に2人の生徒からお礼の挨拶をすると、5人の学生さんからは「みなさんは何でもできるのだから、たくさんのことにチャレンジして ください。」「遊びや勉強など一つに絞るのではなく、二兎を追ってください。」「意思決定をする時は自分の可能性が広がりそうな選択をしてください。」「皆さんには無限の可能性が あるのだから、やらなかったことに後悔しないでほしい。」「できそうかできなそうかで限界を決めずに行きたい道に進んでください。」というエールをもらいました。明日は班別自主研修です。事前に決めた観光地へ、班の人と協力して行き、楽しいボストン最終日を過ごしていただきたいです。


座談会①

座談会②
座談会③

座談会に参加していただいたHarvard Business Schoolの学生

 

【12月14日(木)第5日目】

 本日はこれまでの研修の中で一番冷え込み、StarbucksやDunkin Donutsから購入した温かい飲み物を片手に登校する生徒さんが多く見られました。本日でアメリカ研修も半分に差し掛かりました。

 毎日提出してもらっている日記帳には、嬉しい報告がたくさん見られました。「今までホストファミリーと上手くコミュニケーションが取れなくて悩んでいたが、昨日は自分から積極的に話すことができ、最後は家族と仲良く一緒にテレビを観られました。」と笑顔で話してくれました。異国の地では楽しいことばかりではありません。慣れないこと、苦しいこと、悔しいこと、まだたったの5日間しか経っておりませんが、生徒さんたちは悩みながらも、自分たちの力でどのように状況を改善できるか常に考え、挑戦し続けています。時には失敗することもあるかもしれませんが、着実に成長しているみなさんは非常に輝かしいです。

 本日の午後は「Boch Theater」というボストン市内でも約100年の歴史の長い劇場を訪問しました。創設された1925年はもともと映画館だったのですが、1962年にバレーやコンサート、ブロードウェイのショーが行われる劇場に変わりました。その後、老朽化した建物の歴史的価値を守ろうとある病院が多額の資金を出して改装し、いろいろなプログラムを館内で展開して施設を守っている、という場所です。入口からホールへ入ると、高い天井に描かれた美しい絵とシャンデリア、お城のような階段が広がり、生徒達は感激していました。劇場といえば音響は大切な要因の一つです。「Sound Design」といって、部屋のデザインは音の質に大きく影響していきます。そこで、サイエンスワークショップでは、各グルー プにスポンジや包装材などの素材が配られ、そのうちの2つを使用して、防音室を作るというアクティビティを行いました。そして一番防音性の高い素材を選べたグループが勝ちということで、生徒さんたちは相談しながら試行錯誤しました。これは、目的のためにチームで協力するというコミュニケーション活動で、リーダーシッププログラムで行われている活動の一つということです。スタッフの方は、クリアで聞きやすい英語で生徒さんたちに語りかけてくれ、その活動を楽しんでいました。その後、劇場の、普段は出演者のみしか入れない裏側に入り、劇場内のステージに立ち、そこでもう一つの活動をするという貴重な体験をしました。生徒さんも劇場内を観た時はあまりの感動に、何枚も写真を撮影していました。ワークショップ終了後、豪華な劇場をバックに全体の写真を撮影、最後には、スタッフの方に木村さんが英語でお礼の言葉を述べてくれました。


Boch Theatre前の集合写真

Boch Theatre館内

劇場内の集合写真

 

 明日は、5日間学んだFLSの語学学校のレッスンの最終日となります。その午後、特別にHarvardBusinessSchoolの日本人学生さん3人が特別にキャンパスツアーと座談会を行っていただけることとなりました。世界トップクラスのビジネススクールに足を踏み入れられるまたとない機会です。たくさん気になることを質問し、自分の一番満足のいく将来の選択ができることを願っています。

 

【12月13日(水)第4日目】

 本日もランチを持参して、ホストファミリー宅から語学学校へ自分たちで登校しました。地下鉄もバスも乗り継ぎはもうバッチリです。自信を持って外国の交通機関を乗りこなす生徒さんたちを誇らしく思います。
 午前中の英語授業では、他国からの留学生に積極的に話しかける姿が見られました。「今日は話を続けられた。」と日々自分の英語力が上がっていることを実感しているようです。午後はMITを訪問しました。元外科医であるIさんと東大卒業生のNさんという2人のMIT大学院生からキャンパスツアーと座談会を行っていただきました。MITは、「知識を詰め込むだけでなく、実際に手を使って形にし、社会貢献をしていく」という信念から、施設内がアートで溢れています。また、キャンパスは街のようになっており、大学施設のみではなく、グーグル、モデルナやファイザー、武田製薬など企業もたくさんあり、すぐに情報を共有し社会の役に立てるようなシステムが確立されています。ノーベル賞を受賞した利根川進先生の肖像画が玄関に大きく飾ってある神経科学の6施設や、最先端のナノテクノロジー施設であるバナナラウンジや図書館MITグレート・ドームの中など多くの施設を見学しました。
 Nさんの話の中で、授業のアシスタントをすることで大学院の授業料は免除、毎月給料も出ているという話題が出ると生徒さん達は驚き、「日本人は本当に少ないからぜひ来てほしい。」という強い思いを聞くと、「私もMIT将来行きたい!」という声も聞こえてきました。質疑応答では、「高校生のうちにやっておいた方がよいことはなんですか。」「研究していく上でのモットーはなんですか。」「なぜアメリカは日本より研究のスピードが速いのですか。」などと興味深い質問が飛び交いました。質疑応答中には、ノーベル賞を受賞した教授が後ろを通るというサプライズもありました。生徒からのお礼の挨拶後に、Nさんからは「英語は自分も苦手だったが、夢があるなら英語くらい頑張れる。英語のせいで夢は諦めないで。」Iさんからは「みなさんの可能性は無限にある。日本の大学に行くのもありだが、好奇心で海外大学をオプションにいれてほしい。」というメッセージをいただきました。今回の研修も4日目を迎えました。残り1週間、異国の地であるアメリカで、多くの新しい発見をもっともっとしていただきたいです。そして、本日のMIT生からのお話しでもあったように、日本に帰った時に、自分の周りにある常識に疑問を持ち、そこからなぜなのかと考え、そこから好奇心を追求できる人になっていただきたいです。自分の可能性を信じ、一度きりの人生、後悔のない選択をできるように、残りのアメリカ研修も頑張っていきましょう。


IさんとNさんの自己紹介とMITの紹介

MITの豆知識を聞く生徒

神経科学の施設に飾られている利根川進先生の肖像画

キャンパスツアーグループ①

キャンパスツアーグループ②

グレート・ドーム図書館の中

MITの前の集合写真

 

【12月12日(火)第3日目】

 本日は気温がガクンと下がり、快晴ではあるものの、朝は温度4度、体感温度は1度ほどでした。朝もホストファミリーの家からそれぞれの交通手段を使って語学学校に登校しました。今日は登校途中にお昼を購入するようにお伝えしたため、StarbucksやBurgerKing、地元のスーパーで好きなものを購入して授業前には全員登校してきました。「テイクアウトはtakeoutではなくて、togoというのですね。」と早速役立つ日常の英語表現も習得していました。語学学校では、今日から授業が始まりました。授業を終えた生徒さんの中には「ほとんど分からなかった。」という方もいるものの、「思ったよりも分かった。」「今まで文法という基本的なことを頑張ってきてよかった。」という前向きな言葉が多く聞かれました。今日は他国から来た留学生となかなか話せなかった生徒さんが多かったようですが、明日は勇気を持って話しかけ、友達を作ることができるとよいです。

 持ってきた昼食を済ませ、午後はHarvardUniversityの見学を行いました。教員を経て、Harvard大学大学院へ通われているNさんからキャンパスツアーとお話をお伺いしました。キャンパスツアーでは、JohnHarvard像の3つの嘘や、建物の名前の秘密、図書館の寄附者のお話し、図書館は地下4階まであることなど、Harvard生だからこそ知る豆知識を教えていただき、生徒さんも興味深そうに聞いていました。また、随時気になることに対して質問することもできました。歩きながらNさんに直接話しかける積極的な生徒さんも見られました。普段はHarvard大学の建物内に入ることができるのはHarvard学生のみですが、今回はNさんが特別に部屋を手配してくださり、講義室で30分ほど質疑応答の時間を取っていただきました。Harvard生が実際に講義を受ける時に座る椅子に座り、Harvard生になったような気持ちで、Nさんへの質問も途切れることがありませんでした。「留学しようと思ったきっかけ」や「英語の勉強法」から話はNさんの専門分野の「教育」へと移り「1から日本の教育を考え直せるとしたら、Nさんならどのような教育を創り上げたいですか。」という感慨深い質問も出ました。生徒さんから出るレベルの高い質問にNさんも丁寧に答えてくださり、時間はあっという間に過ぎ去りました。代表生徒が終わりの挨拶をすると、Nさんからも生徒さん全員へ「人は今この瞬間変われる。でも信じていないと変われない。誰にでも機会はあるのだから、目標ができたらその瞬間から頑張ってほしい。」というメッセージを送っていただきました。


キャンパスツアー:工学部の建物の前にて

キャンパスツアー:図書館前の建物にて

キャンパスツアー:
「Graduate School of Education」の建物

Harvard 大学内にて質疑応答
 

John Harvard 像の前での記念撮影。
金の左足を触ると志望校に合格するということで、
みなさん列を作って願掛けしました。

 

 今日も一日たくさんの活動を行い、ホストファミリーとの話題が盛りだくさんだったはずです。自分の英語力をどこまで上げられるかは、会話をしようとする意欲にかかっています。ホームステイ中に積極的にコミュニケーションを取り、特別な体験と思い出を残せるように引き続き頑張っていただきたいです。明日はMIT訪問をし、実際に通っている日本人からお話を聞くことができます。自分の将来の延長線上として、海外大学進学も選択肢の一つとなれば嬉しいです。

 

【12月11日(月)第2日目】

 研修2日目の午前中はあいにくの雨でしたが、午後には空が晴れ、傘を持たずにアクティビティに参加することができました。本日はホストファミリーの家から語学学校まで自分たちでバスや地下鉄を利用して登校する初日でした。ParkStreet駅の出口から出てきた生徒の顔には笑顔が見られ、「迷わずに来られた。」「ホストファミリーがすごく優しかった。」「スペイン系のホストファミリーで、朝食がすごくおいしかった。」など昨日から今日にかけての話を楽しそうにしてくださいました。しっかりみんなたどり着けるだろうかいう私たちの心配は無用で、全員が協力して時間内に集合することができました。

 語学学校では、まずオリエンテーションが行われました。明日からの授業の事前説明を受けた後、生徒1人が代表してみんなの前で堂々と英語でスピーチを語学学校の代表の方に行いました。その生徒さんの決意に感化され、周りの生徒さんも明日からのやる気により一層火がついたようでした。ランチは語学学校でウェルカムランチのピザが用意されました。自分の顔よりも大きなアメリカンサイズのピザに驚きつつも、あまりの美味しさに、何箱もあったピザが一瞬でなくなってしました。日本から来た大学生もいたため、なぜ語学学校に来ているのか、これからどうしたいかなど経歴の質問をしあったり、日本人同士ではあるものの、英語で話したりと有意義な時間を過ごしました。


オリエンテーションでの生徒のスピーチ

ウェルカムランチを楽しむ生徒たち

 

 午後はフリーダムトレイル散策をしました。2つのグループに分かれて伝統的な衣装を身に着けたガイドさんがボストンの歴史を建物と共に案内してくれました。アメリカ最古の公園であるボストン・コモンから出発し、昔はボストンで一番高い建物だったパークストリート教会やグラナリー墓地、キングス・チャペル等を歴史上大切な人物と共に説明を受けました。生徒さんたちが自分たちで取り組んだという事前学習の効果もあり、「今は言っていることが分かった。」と嬉しそうにする生徒さんもいる一方、「全く説明の速さについていけないので、英語をもっと頑張ろうと思った」と自分の英語の実力を実感し、これから上を目指そうとする生徒さんも見られました。たくさん歩いて疲れたと思いますが、まだ油断することはできません。ホストファミリーの家まで自分たちで帰宅する必要があります。少し迷ってしまったペアもいくつかありましたが、最終的に自分たちの力で無事にホストファミリーの家に着くことができました。


フリーダムトレイル散策①

フリーダムトレイル散策②

フリーダムトレイル散策③

 

【12月10日(日)第1日目】

 好天に恵まれた2023年12月10日、40人全員が元気に集合場所である高崎女子高校へと集まってきました。出発式では、生徒2名が代表の挨拶を行い、今までの研修に携わった人や渡航に協力してくださった保護者の方に感謝の気持ちを述べるとともに、異国の地アメリカでの新たな挑戦にこれから前向きに取り組む決意を力強く示してくださいました。保護者に温かく見送られ、高崎女子高校を後にしたバスの中では、アメリカに旅立つ実感が湧き、楽しみではあるけれど、ちょっぴり緊張している様子でもありました。

 時間をしっかり守り、素早く行動することができる生徒さんのおかげで、成田空港には予定より15分ほど早く到着することができました。両替やwifiルーターの受け取りを終えると、セルフチェックインカウンターへ搭乗手続きに向かいました。最初はやり方に戸惑い、何度もやり直している生徒さんも見られましたが、並んでいる前後の生徒同士で助け合い、手続きを終えることができました。保安検査前には一生懸命に手持ちのペットポトルの中身を飲み干す可愛らしい様子も見られました。保安検査と出国手続きを終えると、モニターや搭乗券の見方や注意事項を説明しました。次からは1人でも飛行機に乗って海外旅行や留学に行けるはずです。搭乗口までは、代表に選ばれた生徒を先頭に搭乗チケットに書かれていることを参考に歩いていきました。搭乗口には予定の1時間半前に到着したため、自由時間を取りました。そしていよいよ飛行機搭乗です。パスポートと搭乗チケットを手に、一人一人が飛行機へと乗っていきました。機内では、飲み物や食事を楽しみながら、映画を観たり、音楽を聴いたりと各々が時間を満喫していました。機内が暗くなると、目を閉じて仮眠を取ろうとするものの、あまり眠れなかったとアメリカに到着してから話している生徒さんもいました。

 ボストンには現地時間の17時に到着しました。入国審査はほとんど待つことなくスムーズに進みましたが、何人かが指紋の認証が上手くいかず、別室に連れて行かれました。無事ターンテーブルでみんなと合流すると、「係りの人が防弾チョッキを着てて始めは怖かったけど、実際は優しかった。」と安心そうな表情を見せてくれました。スーツケースを受け取り、現地団体が到着ロビーで待っていてくださいました。スタッフから説明を受け、ホストファミリーの方向が同じ人同士で車に乗り、滞在先の家へと向かいました。ワクワクしている生徒さんもいましたが、やはり緊張している生徒さんが多かったです。しかし、ホストファミリー宅到着後には元気に「無事に着きました。」や「ついホストファミリーとお話が盛り上がってしまいました。」など上手くボストン研修を始められたみなさんに感心しました。


学校での出発式の様子

成田空港にて