5月1日(月)開校記念式典

 令和5年5月1日(月)に、高崎女子高校第124回開校記念式典が挙行されました。同窓会長、PTA会長、教育振興会長をはじめ、ご来賓の方にも参加して頂き、全校生徒と教職員が高女の伝統を振り返り,高女生に対する期待を確認する日となりました。今年は数年ぶりに、国歌と校歌が斉唱され、風薫る爽やかな体育館に生徒の歌声が柔らかく響き渡りました。


 式典では丸橋覚校長の式辞(こちらをご覧ください)の後、海老原洋子同窓会長と井上英光PTA会長の祝辞を頂戴しました。記念講演会では講師に染織家の吉村晴子先生(1953年3月に本校をご卒業、第24代高女同窓会長)をお招きし、「紅板締めを復元して」という演題で公演をしていただきました。吉村先生は、国内外で注目される染織家、染織研究家です。

 吉村先生は、家族制度、封建制度の考え方が残る戦後に本校で青春時代を過ごされ、女性の社会進出や男女共同参画について積極的な活動をされてきました。ご主人と共に開業された産婦人科医院をきりもりされながら、お子さん(現在本校学校医)とともに始めたガールスカウト活動では群馬県、そして日本連盟の役員を歴任されるなど、多方面で活躍されています。30歳から染色の勉強を始められ、2007年にはご実家にあたる吉村染色工場に保管されていた紅板締めの板から、「染工房はるる」の仲間とともに紅板締めの復元に成功されました。

 講演会に持ちいただいた紅板締めの作品は、鮮やかな紅色が映える美しいお着物で、薄く赤く艶やかな絹地は、秘めた強さを持つ優しい女性の象徴のように感じられました。ご主人が亡くなったことがきっかけで逆に自分の時間ができたこと。この時間は、ご主人からのプレゼントであり、残りの時間を自分のために生きようと思ったこと。自分が初めに染色の知識を持っていなかったことはベストではないけれどベターであった。自由な発想をもって、たのしく活動し、自分の活動に自信や誇りを持つこと。吉村先生が話される一つ一つの言葉には、第一線で活躍される女性の力強さと優しさがあふれていました。女性の生き方や、女性の自己解放など、高女生が学ぶことの多い講演会でした。講演会で感じたことをこれからに生かすと共に、高女生及び高女関係者全員、吉村先生の今後のご活躍を祈念いたします。