探究通信

1年生 探究基礎講座(発展探究編)報告

7月3日(水)の発展探究で行われた探究基礎講座の様子をお伝えします。

 

今回の目的は「日本の建国の理念,宗教観,自然観と私達との繋がりを探れる」きっかけをつかむことです。以下のようなワークを行いました。

 

1 伊勢神宮,サンピエトロ大聖堂,パルテノン神殿の写真を見て,気が付いたこと,考えたことをまとめる。

2 「いただきます」に込められている意味を知る。

3 「はし」を含む単語を探し,その単語は何を繋いでいるのかを考える。

4 11月23日は「新嘗祭」から「勤労感謝の日」に変わった理由を調べて考える。

 

≪本日の振り返り全般≫

・今まで全く知らなかった日本のたくさんのことについて知ることができました。探究で学んだ日本のことはとても誇るべきことだと思うので、大切にしていきたいです。今後は日本のもっとたくさんのことを知っていきたいです。

・自分たちの何気ない日常の中にも日本の原点やお国柄があることが分かり、またその意味なども調べて知ることができた。日本人が原点をあまり知らない理由は、 GHQの政策や宗教じみているものだからだと思う。現在グローバル化として多くの宗教が混在している中で、神道の話はやりにくいのだと思う。それで興味を持つ持たない以前に知る機会がなく、浸透していないのだと思う。今回の調べ学習で自分が日本について何も知らないことが分かった。日本にはどんな物語があるのかを知るため、古事記などの本を読みたいと思った。インターネットでは自分の知っていることからの派生しかわからないため、本を多く読み多くのことを知りたいと思う。

・日本は道徳的な面でとても発達していて、また天皇と国民との関係性がヨーロッパの王子と民衆の関係性とは異なるものだと知った。今後は日本以外の国の原点についても知りたい。そして、日本の自己肯定感や社会参画、意識の低さについて、その理由を考えてみたい。

・日本は外国と比べて特殊な考え方を持っていて、日本でないと成り立たないということを知れました。例えば、天皇の御所の警備が少ないことや財布を落としてもそのまま帰ってくることです。日本の原点が答えられないのは、海外との繋がりができてから情報が制限されてしまって、正確な情報がわからないからだと思いました。今後は,日本の現代で行われている行事と昔の行事のつながりを調べたい。また,日本人の言葉にはたくさんの意味が込められているからそちらも調べたい。

・日本について色々な視点から考え、調べることができた。日本の国柄も今まで以上に理解することができた。しかし、多くの人々が日本に興味がないために原点を答えられないと考えた。今後調べたいこと、日本人がどのくらい日本に興味があるのか、どうして興味があるのかないのか、その心情や背景について調べていきたい。

 

≪原点を答えられない理由≫

・歴史の授業で米や仏の建国理念を習うのに対し、日本の建国理念を習わない、習わないことにあまり疑問を持たない,日本の神話を詳しく学ぶ機会がないことだと思う。

・日本人が日本の原点を答えられない一番の理由は GHQ による政策で日本の良い伝統や思いが制限されてしまったからだと思いました。日本が GHQ の支配下でなくなってから70年近くなる今でもその影響が残っていることに驚きました。

・原点となっていることが生まれてきた頃からの当たり前なことだから、それを習慣としてただするものだと教えられていて、なぜそうするのかという理由まで教えてもらえない。そもそも教えている人も日本の原点を知らない可能性が高い。

・日本の原点の一つは自然への信仰や感謝だが、現在では人々の宗教観が変化し、無宗教である人も増えているため、日本の原点を知らないのだと思った。また、戦後 GHQ の改革により情報が制限されたこと、日本の原点について学校で習わないことも理由だと考える。

・大和魂など戦時中の兵士のイメージがあることは気軽に触れられないから、自ら知ろうすると右翼中。二病だと言われるかもしれない。

 

≪今後調べたいこと≫

・身近な神社が建てられた理由。そこの中に今の日本人に通じる精神性がある,そういったものに第一線で関わっている人に聞き、よりリアルな言葉で知りたい。また、外国とも比較し、日本人ならでを見つけていきたい。

・知らないうちに日本がどんどん外国に占領されていたり、他国を優先して日本が損していることを調べる。こんなに良い国を守っていくために、安全保障や日本の外国人の受け入れについて調べたい。

・日本の原点について知らないこと、答えられないことが想像以上に多かった。これから先社会に出ていく中で答えられた方が良いと思うし、これから知識を深めていきたい。

・なぜ,今の日本は昔の日本に親しんだり、学んだりする機会が減っているのだろうか?いつから日本の原点について語られなくなったのだろうか?そこで何があったのか?日本人の自己肯定感が低くなっているのはいつからか?

・戦前の日本が受け継いできた。たくさんの素敵な思いや伝統がきっとあると思うので、そういうことについてもっと調べたいです。

1年生 探究基礎講座(発展探究編)報告

6月19日(水)の発展探究で行われた探究基礎講座の様子をお伝えします。
 今回の目的は「日本の建国の理念を理解し,現在の私達との繋がりを探れるようになる」きっかけをつかむことです。
 高校生の皆さんは,建国の理念について考えたことがありますか。全ての物事には原点があります。つまり,建国の理念は国家の原点とも言えるでしょう。アメリカの建国の理念は,1776年の独立宣言に「すべての人間は神によって平等に造られ,生命,自由,および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている」とあるように,「真に自由の国を作ること」と言えます。フランスの建国の理念は,1789年のフランス革命のスローガン「自由,平等,博愛」と言えます。では,皆さんは日本の建国の理念は何であるか。いつできたのか答えられますか。

 

1 日本の建国の理念を調べてみよう。
≪課題の進行例≫
→ 日本書紀にあった!
→ 約2680年前,神武天皇が橿原の地(奈良県橿原市)に日本を建国したときの「建都の詔」で「掩八紘而為宇(八紘をおおいて宇となす)」とある。
→ 「天地四方八方の果てに至るまで、この地球上に存在する民族が、あたかも一軒の家の中に住むように、皆仲良く暮らす」という意味である。
→ 確かに,人種的差別撤廃を国際会議(パリ講和会議)で初めて提案したのは日本だった!

 

2 インドネシア独立宣言の「05年8月17日」とはいつのことなのか。理由とともに班で協力して調べよう。
≪問いの進行例≫
→ 「皇紀2605年8月17日」のことだった!
→ 日本がインドネシアに対して,植民地「支配」をしていたら,日本の敗戦後にわざわざ「皇紀」を使う?
→ 西欧列強諸国のように,現地の方々を「支配」するものではなく,「八紘為宇」の精神で,現地の方々を家族のように扱い,その独立を心より支援していた?
→ 独立宣言以降,インドネシアにいた元日本軍の約2000人もの将兵は家族の待つ祖国,故郷へ帰らず,インドネシア人と共に,オランダに対する4 年にも及ぶ独立戦争を戦い抜き,350年ぶりの独立を成し遂げた!日本人の戦死者は,ジャカルタにある国立英雄墓地に眠っている!
→ 他に似たような事例はある?
→ たくさんあった! インド,タイ,台湾等々
→ 外交戦略を考える上で非常に大切な事実を,なぜ多くの日本人は知らない?

3 「世界に平和がおとづれて万民太平の幸をうけるまで懸命の勉強することが大切なり」
こちらは,ある日本人が幼い娘たちに書いた手紙です。どんな人がどんな場面で書いたのかを班の皆で想像してみよう。
≪課題の進行例≫
→ 特攻隊員の出撃前の手紙であった!
→ 自分が死ぬことが分かっていても,世界平和を願っていた!
→ 他の人の手紙,遺書にはどんなことが書いてある?
→ 家族、故郷への感謝,想い,日本民族の福祉,世界人類の和平など・・・

 

4 元特攻隊員の山崎さんのインタビュー内容から,違う立場の人の心情を理解するために大切なことを考える。
≪課題の進行例≫
→ 山崎さんが,出撃命令時に「心臓を冷たい手で握られたように感じた」と感じたのは恐怖から?
→ 実際は全然違った!「崇高な使命感からくる緊張感」であった。
→ 戦後を生きている私達は,戦時中の若者の気持ちなど理解できない!
→ 山崎さんの話を伝え聞いた新聞記者は「恐怖を感じた」と書いてしまった!
→ 実際に,現場に行き,一次情報を仕入れることが大切である!

 

≪本日の振り返り≫振り返り,建国の理念と現代日本人との繋がりを考えてみる。
・今回の授業で日本の建国理念である「あめのしたに一つの家のような社会を築こう」というものに従って、他の国を救っている事実があったのだなと思いました。山崎さんの「心臓を冷たい手で握られたような感覚」というものは恐怖からではなく緊張からということに驚きました。今の私は生きている時代が違うから、そのように考えることはできないだろうと思いました。彼らのおかげで今があることを心において、これからを生きていこうと思いました。

・日本の良さを新たに学ぶことができて、日本人で良かったなと思った。そして暖かい国だなとも思った。今まで特攻隊員はかわいそうで、胸が痛くなると考えていたが、少し見方が変わった。今の私たちがあるのは,昔の人のおかげでもあるんだろうなと考えた。

・日本の建国や建国の理念を全く知らなかったので、もっと知っていこうと思いました。日本人なのに日本の歴史をしっかり知らなかったりすることもあるのだと思いました。特攻隊員の人に対しても誤った認識を持っていたと分かったので良かったです。学校の登下校中に知らない人でも家族のように頑張っているね,などと話しかけてくれる時に八紘為宇の精神を感じます。

・米国の建国の理念は知っていたのに日本のは知らなかったので、もっと自分が住んでいるところについて、ちゃんと知るべきだと思った。また、紀元前はキリスト教が影響している言い方なので、それには少し違和感を感じた。また、先入観を持つことはあまり良くないことだと感じ、これからはそういったものを持つことをやめようと思った。

・他国の建国理念を知っていながら、日本の建国理念を知らないというのは自分にとって盲点だったので、この機会に知ることができてよかった。今では戦争はいけない,戦争を繰り返してはいけない,などが多く教えられているが、具体的に当時の日本人や他国の人々がどう感じていたかを知らなかったので、とても面白かった。現代の物差しで考えるのではなく、いろんなものさしで物事を考えられるようにしたいと思った。

・日本に住んでいる限り制限があって、なかなか知ることができない情報もあるので、日本だけでなく海外から見た視点なども考えることが大切だと分かりました。海外について、日本との歴史的交わりを知ることが大切だとわかったので、もっと調べてみたいと思いました。また、山崎さんの話ではその時代の人の立場になって考えることが大切だと分かりました。これからの探究では現地に行って直接見ることを大切だとわかったので、是非現地に行ってみたいと思いました。

・日本とインドネシア、台湾、インドタイの関係は全然知りませんでした。日本はアジアに対してひどいことをしたという認識でいたので、それが変化しました。日本の建国理念についても考えたことがなく、建国自体もそんなに昔だったのかと感じました。日本人として外国との歴史、日本の歴史について、より詳しく知りたいと感じました。

・日本の建国が思っていた以上に古い出来事で、それでも建国理念として言葉が今でも伝わっているというところがすごいことであると感じました。また、世界と日本の関係を見てみても、日本は建国理念のもと動いている事実もあり、今の日本の民度が高いのは建国当初からの思いが受け継がれているからであり、戦争の話を経て先人の教えを受け継ぐことも大切だと思いました。

・授業の前は日本がアメリカに戦争を仕掛けて多くの犠牲者を出した国だと思っていたが、インドネシアなどからは感謝されていることを知り、驚いた。最近、こども食堂が私の家の近所にもできたが、これも八紘為宇の精神によるものなのかなと思った。

・今の自分たちには考えられないような価値観を戦時中の人々は持っていたのだと知りびっくりした。今の日本があるのは、この人たちのお陰なのだと感謝する一方,二度とこんなことが起こらない世の中になればいいなと思った。何かを落としてもそのまま何かしらの形で帰ってくる,互いに思いやりを持って接しているところに八紘為宇の精神を感じます。

・山崎さんの言葉とインタビューを見て、ただインターネット等で見るだけでなく、現地に行く大切さを知った。ネットでは表面的なことしかわからなくても,現地に向かうことで、第一人者の方の意見を聞けたり、自分で感情を体験することができると思った。夏休みには是非フィールドワークに行ってみたいと改めて思った。

・日本の良さについて、その由来をより深く広く知ることができました。どうしても戦争についてはネガティブで可哀想に書かれてしまうことが分かりました。今日の学習を踏まえて、今現在起きている戦争について考え直してみたいです。また、戦争後に教育を受けた人はもちろんのこと,戦争前から生きていて、経験を語ってくれている人にも GHQ の影響を感じました。兵士と国民のギャップがあるとも思いますが、ほとんど負のイメージを持たせるものが多いイメージだなと感じました。戦争中の日本の考え、精神も少しずつ受け入れ、より広い視野を使えるようになりたいです。

・特攻隊の方のインタビューのように、私たちは現代の尺度でしか、過去の出来事について考えることができないと分かりました。いつか実際に戦時中に残された手紙などを読んでみたいと思いました。日本が建国された時の八紘為宇の精神は今にも生きていて、そのお陰もあって日本の平和があるのかなと思いました。

・インドネシアやタイ、台湾など日本への感謝を持っている国があったのは知らなかった。日本国民として国際的な日本の立場や歴史的な他国とのつながりなど知っておくべきことはたくさんあると感じた。神武天皇の言葉が現代の日本人のアイデンティティーとして残っているのかもしれない。

・日本を知るにつれて日本を好きになり、日本人であることを誇らしく感じた。多くの外国と様々な関わりを持っていて、それが今にもつながっている。だから視野を広げるために昔の日本を知ることは大切だ。

・私たちが日本人だからと言って、日本のことを全部知っているわけじゃなくて、外国からの情報を聞くことで、日本の戦前の話も得られることができると知りました。特攻隊の話も聞いて無駄なことだと思っていたけど、実際には大きな成果があって、その犠牲のおかげで私たちの今があると知って,とても驚きました

・特攻隊の話は小説を読んだり、自分で調べたりもしたけど、いつ考えても理解ができないです。今を生きている私には考えることすらできないことを昔の人たちは当たり前のようにしていたんだと不思議な気持ちになりました。機会があったら自分の目で実際に見て昔の人の思いをより深く感じたいと思いました。

1年生 総合的な探究の時間 情報分析会 報告

 619()1年生の総合的な探究の時間の様子をお伝えします。

今回の目的は「社会問題を見いだす視点=情報分析力」を身につけることです。

授業は,以下の流れで進みました。

 

1 普段の日常生活で気になったことの写真を撮る(ニュース画像等を取得)。

2 写真を撮った理由(どこが気になったのか? 課題だと感じたのか? 面白いと思ったのか?など)を書く。

※ここまでは,授業日までの準備

3 写真に関連する内容の情報を収集して分析する。

※分析の基本的な視点

・時間軸(現在と過去を比べてみる。)

・空間軸(「他」と比べてみる。他県,他国…)

・立場軸(自分とは異なる立場で考える。賛成・反対意見を比べる。)

・客観的な事実(データ,証言,証拠を提示する。)

・定量化(解決策の判断基準としての量的関係をおさえる。)

・マクロ視点(問題全体を俯瞰する。ミクロとマクロを往還する。)

・お金の流れ(資金源は?株主は?誰が得をするのか?)

4 振り返り

・自分が事前に注目して調べたことを発表したら、周りのみんなから次から次へと新しい注目点を見つけてもらえて、さらに詳しく調べることができて楽しかったです。自分で新しいことに気づけるのは面白いと思いました。グループの人の発表の中でもお菓子の値上げは物価上昇という風になっていたけど、原料に着目したら豚熱でトウモロコシ(原料)が減ったことが原因でとてもびっくりしました。

・一つのテーマについて、色々な視点から自分で調べたことがなかったので、一つの疑問が解決すると、じゃあこれは?、と自分の中から次々に疑問が浮かんできて面白かったです。群馬と東京しか詳しいことが調べられなかったので、東北や関西など地方によって差はあるのか知りたくなりました。中学生までのデータしか出てくることがなかったので、高校の給食費はどうなっているのか気になりました。世界の給食はどうなっているのかも知りたいです。

・ただ、調べるだけではなくて、自分で一回発表して自問自答してみるのも良いなと思った。身の回りには色々な疑問や発見があるので、探究の時間以外にも自分で調べたり、FWに行ったりしたいと思った。だんだんと心理的安全性を意識して発表ができるようになってきた。

・私たちの身近なところに様々な発見があることが分かりました。普段は「気になるところ」という視点で物事を見ていないので、物事にも「なぜ」を考えていくことで、現代社会の課題などについても様々な角度から見て新しい考え方も生まれると思う。

・友達と発表しあった後に質問されて自分が見えている視点とは違うと思い、共有の大切さを感じました。その質問のことを、さらに調べてみると意外なことがわかったりして、自分の考えを深めることができました。また、友達の調べた内容にも興味が湧きました。

・私は最初に仮説を立てずに調べてしまいましたが、班の人は仮説を立ててから興味のあることについて調べていたので、自分もすぐに調べるのではなく、自分で仮説を考えてから調べて知識を身につけたり、関心を深めようと思いました。2回目の発表で外国と日本では形は違うのかという質問に答えられなかったので、外国との違いについて追加で調べたいです。

・班の人から意見をもらって、調べたら自分が調べていたことに繋がったり、新たな視点が広がったりするきっかけになったので、中学校の頃は班活動が苦手でしたが、今は楽しいと思えるようになりました。私の調べたメガソーラーについて、祖父や祖父の仕事仲間の方に話を聞いてみたいと思った。

1年生 探究基礎講座報告(発展探究編)

6月12日(水)の発展探究で行われた探究基礎講座の様子をお伝えします。

(発展探究についてはこちら、探究基礎講座についてはこちらを参照ください)

今回の目的は「日本の善いところに気が付き,その理由を考えられるようになる」きっかけをつかむことです。

以下のような課題に取り組みました。

 

1 日本(人)の善いところ(性質)を探して箇条書きで挙げてみよう。

≪課題の進行例≫

・治安の良さ マナーの良さ 助け合うこと 謙虚さ

 きれいな水 豊かな自然 平等な社会

 ⇒ 無人販売所が成り立つのは日本だけ!

   財布を落としても交番に届く!

   大災害でも略奪や暴動が起こらない!

 

2 京都御所(左),ウィンザー城(中),ヴェルサイユ宮殿(右)の写真を見て,京都御所の特徴として気が付いたこと,考えたことを班でまとめよう。 

≪課題の進行例≫

・質素,飾り気がない

 ⇒好みの問題?お金がなかった?

・和,落ち着いている,緑豊か

 ⇒自然観?宗教観?

・建物が低い,壁や塀も低い。

 ⇒防衛力が低いけど平気?外国の城は堅固な造りだけど?

 

3 京都御所が無防備(堀,石垣,櫓,兵の駐留所も無い)で良かった理由を考える。

≪課題の進行例≫

・天皇は神の子孫であると考えられていたから?

 → 神仏を信じない人に対しても平気?

・堀や石垣がないことで国民と隔絶されないように感じられたから?

・天皇の民を第一に想う姿に民衆が信頼を寄せていたから?

・天皇が普段から国民のことを第一に考えてくれているということが国民にも伝わっていたから,攻撃しようと思わなかった?

 → 有名な「民のかまど」に繋がる?それ以外のエピソードは?

 → 古代、中世、現代の天皇の国民に対する姿勢は「知らす」だった!

 

4 日本書紀・古事記に登場する,人民,百姓,庶民といった単語の読みかた,その読み方をする理由を調べ,現代との繋がりを考える。

≪課題の進行例≫

・代々の天皇は祖先である神々から最も大切な大(おお)御宝(みたから)として人民を預かっている。

 → 人民のための政治をしなければならない。

 → 日本は天皇の「知らす」国,人民・百姓・庶民は「おおみたから」である!

 

≪本日の振り返り≫振り返り,もっと調べたいこと,知りたいこと

・「民のかまど」の話はとても素晴らしいものだと思いました。今の政治のイメージを振り返ると,そんなはずはないとも思ってしまいましたが,昭和の時代まで続く考えならばきっと本当だろうと思い,なぜ教科書から消されてしまったのか,本当に不思議です。もし「他国に侵略しそうだから」という理由だったとしても,全世界の全ての人間を「おおみたから」と捉えられれば,むしろ世界平和が実現できそうだとも思うし,本当の理由を自分なりに考えてみようと思いました。

・日本は天皇の「知らす」国,人民・百姓・庶民は「おおみたから」である。天皇のように上に立つ人間の考えからは,その土地に住む人々全体に影響を与え,受け継がれてゆくものだなと改めて思った。同時に,天皇が他国の皇帝のような考え方だったら,今のような日本にはなっていなかっただろうなと思った。

・教科書から消された内容や,以前は教えていたのに教えなくなったことについて知り,誰に利益が生じるのかを観点にして深く考えてみたい。いつの時代も,自分のことを心配してくれる人,気にかけてくれる人は信頼されると感じた。

・「民のかまど」の話を初めて読んで,日本人の精神の根底にある大事なこと,善いところに気づきました。大昔から天皇は,日本をよく知り,国民を愛してくれていたんだと思いました。大日本帝国憲法はあまりよくないものだと思っていたけど,初めて知る事実があり,本当のことをもっと調べてみたいと思いました。

・男系天皇の跡継ぎ問題があるが、遠い昔の人民が伝えた大切なもの、日本の文化、歴史、そういったものを考えると男系天皇を次世代に繋げるべきだと考えられるなと思った。

・今までの経済や政治のデータを見ると,日本は他国より衰えているなと感じていたが,日本人にはデータでは測りきれない善い所がたくさんあると分かった。その理由は,環境や文化,歴史から読み解くことができる。昔の人の考え方が今でも語り継がれていた事実に驚いた。

・日本の国柄に触れて,改めて,日本が道徳的にすごい国だと感じました。また,代々の天皇陛下の行動に感動し,国民を想い,行動する方々であると感じました。天皇陛下の腰を低く国民を想い,国民一人一人誰も見落とさない思いからの様々な行動が国民に伝わり,そして国が一つになることが素晴らしく,維持していきたいと感じました。天皇の他のエピソードや天皇家の生活,教育法を知りたいと思いました。

・自分が住んでいる国のことをよく知らないと気付いた。戦後の教科書,教育が制限され,それが今でも続いていることは驚きだった。教科書が黒塗りにされた所はどのような内容だったのか,ウォーギルトインフォメーションプログラムの詳細を知りたいと思った。

・国民と天皇が互いに信頼し合っていたが,日本人の今まで続いている善性や御所の無防備さに繋がっていると分かった。日本には茶道や弓道など,日本古来の作法がたくさんあり,その一つ一つには意味があるので,どうしてそのような作法ができたのか,そのルーツを知りたいと思った。

・大日本帝国憲法の「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」の「統治ス」の意味は「治(しら)ス」であることに衝撃を受けた。学校では,大日本帝国憲法は天皇主権で,日本国憲法は国民主権であると習っており、ついつい天皇と国民を対立するものと考えてしまい,大日本帝国憲法に良いイメージが持てなかったが,これは戦後統治のプロパガンダによるものかもしれないと思った。日本人としての歴史や伝統をちゃんと学ばないといけないと思った。

・父が天皇についてかなり批判的で,昔から悪いところを教えてもらったり,テレビを見てきたりしたから,私も天皇に良いイメージを持っていなかったけれど,この話がたとえ嘘だとしても,価値のある大切なこととして大切にされ受け継がれてきたという事実は先生も言っていた通り変わらないということにハッとしたし,見る目がかなり変わったと思う。天皇についてもっと知っていきたいと思った。