探究通信

第2回DX 探究ツアー実施

DXハイスクール事業の一環として、3月7日(金)に発展探究受講生徒希望者向けにDX探究ツアーを実施いたしました。視察先は、私たちの生活や日本の産業を支える根幹ともいえる製鉄所と発電所です。具体的には、どちらも世界最先端の技術を誇る施設である日本製鉄東日本製鉄所鹿島地区、常陸那珂火力発電所に伺いました。これからの日本を担う若者たちにとって大変有意義な視察研修となったようです。

以下に生徒たちの振り返りを掲載させていただきます。

〇日本製鉄東日本製鉄所鹿島地区の振り返り

  • 私たちの生活で必要不可欠な鉄がどのようにつくられているのか知ることが出来てとても良かった。敷地内に病院があったり、地域との繋がりがあったり、福祉にも貢献するなど活動の幅がとても広くてすごいと思った。
  • 建物の5階まで階段で上がるのはゲームのダンジョン攻略のようでとてもワクワクしました。建物内に入ると、熱気と燃えたような臭いに少し驚きました。鉄の元を大きな鍋のような巨大装置に入れ、ぐつぐつと煮込んでいたが、その大きな鍋が180度回転する様子はハウルの城が動くようでとても興奮しました。階段を降りるにつれ、スラブに近づきましたが熱すぎて燃えるかとも思いました。鉄は生活に必要不可欠で、今後も作られ続けるだろうけど、採掘から薄板などの製品になるまでどのくらいの温室効果ガスが出るのか気になった。
  • 工場に行く前は製鉄のことを知る機会がなくて少し古臭そうな印象だったけれど、実際に鉄が作られるまでの過程の一部を間近で見学したり説明を聞いていくうちに、福利厚生が整っていたり、コンピューターを使っていたり、環境にとても気を使っていたりという新たな発見をすることができました。もし見学に行かなければ私のなかの製鉄のイメージが変わらずに偏見を持ち続けていたと思うので、日本製鉄鹿島に行けたことはとても貴重で大切な経験になりました。鉄を作る時の熱い熱を肌で感じたり、安全に気を付けながら熱心に働いている職員の方々を見たことで今まで以上に製鉄所で働く人に対して感謝の気持ちや尊敬の気持ちをもって生活したいです。
  • 夜間も預けることが可能な保育園や、ハーブ園、消防車、救急車などの工場の従業員が働きやすいような環境づくりの工夫をたくさんしていてすごいと思いました。また、従業員同士の「ご安全に!」という挨拶も深い意味があって、それぞれ役割がちがっても同じ場所で働く仲間であるという意識が大切なんだと改めて感じました。
  • 鹿島地区の中はひとつの小さな町のようになっていてとても驚きました。鉄を作る手順を細かく知ったり、あんなに間近で鉄を作る場面を見たり、初めてのことでとても楽しかったです。熱々の鉄のスケールには驚かされました。何を取っても規模が大きく、鉄は日本の一大産業だと思いました。鹿島では薄板が主要な輸出品であり、ミリ単位の厚さに調整できることは世界でも貴重な技術なのだと分かりました。実際に外国の大きな輸送の船を見て世界と繋がっているのを目の当たりにして、とても印象の残りました。今回のツアーがなかったら製鉄所も火力発電所も一生見学することが無かったように思うので、自分の生活する周りでどんなことが行われているのか、視野を広げることができて、とても良い機会になりました。
  • 鹿島の工場が埋め立てではなく陸地に建っていることに驚きました。スラブが目の前に流れてくると、視覚だけでなく、熱気の来る方向でスラブの位置がわかるくらい、大きな存在感を感じました。小学生のときに工業団地の工場で見た、溶けた金属とは規模も熱さも違いました。工場の外は煙突からでる水蒸気が飛んできて、本当に水なんだと感じました。高炉の中から出てくる鉄を見ることができて、うれしかったです。巻き取られた鉄を運搬する車はゆっくり走って、追い越しもできないのは厳重さがありました。工場の中に消防車が常駐しているのは初めて見ました。使った水を再利用していて、取り除いた不純物まで再利用できるのは驚きでした。とても楽しかったです。ありがとうございます。
  • 私たちの身の回りにある鉄が、どのような過程を経て製品となっているのか知ることができ、とても興味深かった。鉄の熱さを肌で感じられた。
  • 鉄の熱さをあそこまで感じることが出来て迫力があった。想像以上に水を使っていて製鉄の水の必要性を感じた。匂いが炎の匂い、花火の匂いに近い匂い、重い匂いがした。ミリ単位で薄くできる日本の鉄の技術は凄いしこの技術を他国に盗まれる損害はでかいと思った。11人でやっていると知って効率的にまわっていると思った。緊急時があった時は鉄を切るところの壁も薄めだったし5階にあって少し怖かった。
  • 日本の鉄のほとんどを生産し、あらゆる企業に貢献しているのが凄いと思った。また、地形を活かした高い生産能力や、地域貢献、製鉄に使う材料のほとんどを再利用することで環境に配慮したりと様々な観点から物事を考えていて衝撃を受けた。
  • 今回は、探求ツアーということで東日本製鉄所鹿島地区の工場見学という貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。最初に調べた時、広さが約1000万㎡で東京ドームおよそ220個分ということで、例えが途方もない数すぎて想像できなかったのですが、実際に見てみて、敷地内にも道路があり信号があり、また様々な仕様の車が走っていて、1つの街だなと思いました。効率のよい作業のための動線に無駄がなく、また水98%の再利用や、ガスも様々な種類の管にわけて再利用するなどの環境問題にも対応していて、工場の印象が大きく変わりました。とっても楽しかったです。ありがとうございました。
  • 普段の生活ではなかなか行く機会のない場所で見学をさせていただきありがとうございました。鉄製品が出来上がるまで多くの方々、資源、施設が関わっていることを身を以て実感することができました。
  • これまでの工場見学とは多くの点で異なっており、素直に来てよかったと思った。これは褒め言葉だが、バスから見る景色はまるでアニメ・ドラマなどのフィクション世界のように私には見えた。また、外から見るだけでも工場の複雑さが感じられ、これを人間が作ったのかと驚いた。鉄に触れることはこれまでにあまりなかったので、身近でないことも多く新しい学びが沢山あった。
  • 製鉄についてはあまり詳しくなかったので、どのように鉄を加工しているのかなどとても興味深く学ぶことができました。一概に鉄を加工と言っても様々な過程があり一つ一つの重要な作業に多くの人が携わっていることを改めて痛感しました。

 

〇常陸那珂火力発電所の振り返り

  • 火力発電は環境に悪いという認識があったが、再利用したり、クリーン化して排出するなど、出来る限りのことは全てやっていてとても感動した。火力発電所の煙突からでる排出物は目に見えないと聞いてとても驚いた。
  • 発電時に出る有害物質を完全に除去し、火力発電所なのに煙突から煙が出ないのはとても驚きました。説明のなかにあった、アンモニアや水素発電に転換していくことで本当に温暖化対策になるのか知りたいと思いました。もしそれらを作ったり、輸送するときに大量のエネルギーが必要ならあまり意味がないのではないかと思ったからです。
  • 最初に「最新の火力発電所で石炭を使っている」と聞いたときは、石炭と最新という言葉が結びつかず、どういうこと?と思ったり、海が近くになく火力発電所のこともよく知らなかったけれど、パンフレットやスライドでの話で図があってわかりやすかったので、その後の構内見学で設備を見たときに「ここでこんなことをやっているんだ」と考えながら見学できました。関東圏だけでイタリアよりも多くの電力を使っていると教えてもらったので、その原因は何なのか自分で考えてみたいなと思いました。最後の質疑応答の話で仕事の速さと社員の働き方のバランスが大事だと聞いて、自分が働くときにすごく大切なことだなと思いました。
  • 石炭火力発電は結局火力発電であることに変わりはないのだから、環境にあまり良くないのではと思っていたけれど、アンモニアや水素を利用したCO2排出ゼロに向けた対策をしていてすごいと思いました。積み上げられたたくさんの石炭や船から陸揚げをするクレーンなど、普段見ることのできないものをたくさん見ることができて楽しかったです。
  • ひたちなか火力発電所では、よりクリーンな発電をするための努力をたくさんされていて、近隣のことや未来のことに向き合っているところが感動しました。実際に煙突からは煙があまり見えなくて、抱いていた火力発電のイメージとは違い、進化に驚きました。日本には資源が無いため、輸入する限りある資源を有効に活用することが大事だと思いました。火力発電は再生可能エネルギーではないけれど、需要を満たすために火力発電は必要ということが難しいと思いました。そのような中でも、少しでも高効率で生産する工夫がたくさんされているので、そうやって考えて大切に作られた電気を無駄遣いしないようにしたいです。また、日本は電気を使いすぎているということを、もっと社会で問題にするべきだとも感じました。発電所の方々のおかげで毎日不自由なく電気が使えていることに感謝したいです。
  • 石炭を細かく砕くことで、効率的に燃やすことができる。石炭は蒸気機関車で使う燃料というイメージが強かったので、最新の発電にも使われていることに驚きました。同じ蒸気でタービンを何回も回していることを初めて知りました。きれいな排気ガスを出すための、脱硝や脱硫という言葉は、最近の生物の授業で聞いたので、ちゃんと覚えてくればよかったと思いました。東日本大震災で液状化してしまった。とても楽しかったです。ありがとうございます。
  • 中央制御室でたった11人で操作していることがすごいと思った。普段、私たちが電気が使えることは当たり前だと思っていたが、その裏に企業の努力と働いてくれている人たちがいるということに感謝したいと思った。
  • 行く前は製鉄所と同じような物だと思っていたけれど、実際は全く違く現場に行く必要性を感じた。施設は無駄なものがなく、タービンがあるところは点検に使うため、広く場所がとられていて製鉄所よりも設備が徹底されているような感じがした。発電するだけではなく、東京にある本部では太陽光発電の量などと調節していて、私たちの生活に莫大な影響を与える会社だと思った。
  • 今ではあまり聞くことのなかった石炭での火力発電だったが、その発電力はものすごく、茨城県の半分を賄っていると知りとても驚いた。また、火力発電は環境に悪いとずっと思っていたけれど、今では排気ガスが排出されない高い技術力が備わっていたことに驚いた。
  • 今回は、探求ツアーということで常陸那珂火力発電所見学という貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。石炭火力発電と最先端という言葉は、私にとって矛盾のように感じていたのですが、実際に見てみて、その真実を知ることが出来ました。1番驚いたことは、全ての建物がとても綺麗で、特に見学した1号機の中は私の発電所イメージからは遠く離れていて、最先端という言葉に納得しました。石炭火力という言葉のイメージで環境破壊のような印象がどうしてもありましたが、その中で働く人達こそ日々環境問題と戦いながらよりクリーンを目指して日本のために発電していることを改めて実感することが出来ました。ありがとうございました。
  • 普段何気なく使っている電力ですが、数々の働きがあってこそ供給できているものであることを改めて感じることができ、同時に大切に使っていこうという考えがより一層強まりました。
  • 火力発電は今後廃止されていくのだろうと漠然と思っていたが、「これからは地球環境に負担のない火力発電を増やす」と聞いて少し驚いた。また、環境に良い火力発電のために多くの努力がなされていることを知り、逆にこれほどの努力をしないといけないのかと、「環境に良い火力発電」の実現の難しさを感じた。火力発電に関する、基礎知識から発展した内容まで分かりやすく説明していただいたため、あまり詳しくない私でも理解することができた。
  • 火力発電という言葉はよく耳にしていましたが、実際に目で見てみると全く知らなかったことが多く今までの知識とリンクさせることで今まで疑問だったことがイメージしやすくなりました。

発展探究履修者向け 卒業生メンターによる探究フィードバック会

3月5日(水)は、6時間目の探究経過報告会のあとに続き、7限の発展探究の授業では卒業生メンターによる探究フィードバックが行われました。

本日と19日(水)の2回に分けて実施され、本日は4名の卒業生が参加してくれました。

1名のメンターにつき4人の生徒でグループを組み、それぞれが自身の探究を説明しながら、フィードバックをもらいます。

現在進行形で研究に向かう大学生からの具体的なアドバイスをもとに、自身の探究を深める機会となりました。

 

 

1年生探究経過報告会②

3月5日(水)6限に「1年生探究経過報告会②」が行われました。

本校では1年生から自身の興味・関心に基づいたテーマを設定し、探究活動を進めています。

そのため最終発表ではなく経過報告会として、現時点での探究活動を発表しフィードバックを受けます。

1年生は、
① 研究テーマ(問い)
② 研究テーマ設定理由
③ 現状の課題とありたい姿
④ 今後の展望・予定(FW先)
⑤ 行き詰っていること
などを2年生に向けて発表をしました。

2年生は、今後の探究活動を充実させるために
・準備しておいたほうがよいこと
・1年生の発表内容にそったFW先のアイデア
などを視点からフィードバックしてくれました。

今後は、同級生や先輩からのフィードバックを通して、2年生での探究活動の方向性や計画の妥当性を再度検討し、春休みのFWをはじめ、2年生での探究活動に向けた計画を立てていきます。

 

ぐんま探究コンソーシアム キックオフイベントを開催しました。

 令和7年1月30日(木)に、新島学園短期大学フォレストホールにて「ぐんま探究コンソーシアム」キックオフイベントが開催されました。

 「ぐんま探究コンソーシアム」キックオフイベント資料.pdf

 

 高校・大学・企業・官公庁関係者など90名ほどの方々にお集まりいただき、「ぐんまの子どもたちをぐんまの皆で育てるための想い」について意見交換を行いました。

 キックオフイベントでは、最初に、このコンソーシアムの設立経緯・趣旨説明を行った後、

1.高校関係者、2.大学関係者から一言ずつお話をいただきました。

 休憩を挟んで、

3.企業・団体関係者、4.官公庁関係者からのご発言、5.グループ討議(30分)、

6.まとめとして文部科学省の石田恵実子参事官補佐様から総括をいただきました。

 今後は、皆様からいただいたアンケートなどをもとに、定期的に「人材育成ビジョン協議会」を開催し、今後の方向性や具体的取組を検討し、ご提案できればと考えています。

 高校・大学関係者だけでなく、中学校や短大・専門学校関係者、企業・団体、官公庁の皆さまと広く連携を図りながら、また、専門高校や特別支援学校の関係者も交えて、ぐんまの子どもたちをぐんまの皆で育てるプラットフォームができれば幸いです。

 キックオフイベントでは、それぞれのお立場から想いを共有していただきました。

 ご協力いただいた皆様、大変ありがとうございました。

新島学園短期大学

新木造校舎フォレストフォール

にて

司会:杉崎由里様

(株)エスティビー

群馬中小企業家同友会
副代表理事

挨拶:丸橋覚

高崎女子高校校長

田口哲男様

元桐生高校校長

共愛学園前橋国際大学短期大学部教授

飯塚秀彦様

元県立高校教諭

元文科省調査官

長野大学准教授

板橋英之様

群馬大学副学長・教授

岩田雅明様

新島学園短期大学学長

奥山龍一様

共愛学園前橋国際大学教授

中村建介様

前橋工科大学教授

前田拓生様

高崎商科大学教授

栗原幸正様

高崎健康福祉大学
人間発達学部学部長
・教授

倉林正教諭

太田市立太田高等学校

篠原真美子教諭

県立伊勢崎清明高等学校

齋藤真希教諭

県立伊勢崎清明高等学校

富田優希教諭

県立伊勢崎清明高等学校

本田博己様

群馬経済同友会

群馬ヤクルト販売(株)
代表取締役会長

提箸康裕様

群馬中小企業家同友会

マルシン産業(株)
代表取締役社長

髙橋徹様

上毛新聞社
常務取締役営業本部長

大塚康史様

西部教育事務所
生涯学習係次長

 佐藤則行様

西部教育事務所
生涯学習係

石田恵実子様

文部科学省参事官補佐

高女生も司会として
活躍してくれました。

 

   

 上毛新聞でも、キックオフイベントの様子を記事として取り上げていただきました。(R7.1.31)

<当日の設立経緯・趣旨説明等の資料>

「ぐんま探究コンソーシアム」キックオフイベント資料.pdf