探究通信

卒業生メンター助言会実施

9月4日(水)に2年生の発展探究受講者に対して、卒業生メンターによる助言会が実施されました。

生徒は自信の探究活動の経緯を説明し、メンターからの助言を共有するすることで、今後の探究活動を進めるための多くの気づきを得ることができました。

卒業生メンターの皆様、お忙しい中お越しいただき大変ありがとうございいました。

当日参加した生徒、メンターの感想を載せておきます。

生徒の感想(抜粋)

・大学生の先輩方とお話をすることで、自分にはない意見をいただけました。また、大学生活の話を聞いて、勉強や探究活動のモチベーションが上がり、身の締まる思いでした。

・今後どんな調査をしようか困っていたが、先輩のお話を伺ってこれから何をすべきか道筋を立てられた。

・自分や自分の周りの友達からは得られない意見を立場の違う大学生から聞くことが出来てとても参考になった。

先輩へのメッセージ(抜粋)

・具体的で的確なアドバイスがとても参考になりました。大学の話も聞けてモチベーションになりました。

・今日はありがとうございました!今後の見通しを立てることができて、とてもためになる会でした。これからも探求頑張っていこうと思いました!

・今回の助言会では様々なアイデアをくださりありがとうございました。探求の目指す方向がより狭められ、向かいたい方向をわかることができたと思います。また、大学生活や探究活動を深めていく重要性を知ることができ、探究活動のモチベーションを上げることにも繋がりました。ありがとうございました

メンターの感想

・在校生同士で意見を交換したり、高女卒業生の先輩に話を聞いてもらったりする機会は、より良い探求活動をする上で有意義だと思いました。

・大学の楽しさをたくさん伝えられたと思うので勉強や探求のモチベーションになってもらえたら嬉しいです!

・皆さんの研究を聞いて、しっかり考えられてるなと思ったし自分の学んでいる内容に共通していてる研究もあってとても興味深かったです。専門的な助言はあまりできませんでしたが、みなさんのこれからの研究がより良いものになってほしいと思います。またぜひ参加したいです。

 

後輩へのメッセージ

・高女での総合的な学びが大学に行っても役立つ場面がたくさんあると思います。高校生活を送っていく上で様々なことに興味を持って積極的に学びを深めていってほしいと思います。高女での貴重な生活をぜひ楽しんでください!

・これからも、興味を持ったことに積極的に取り組んで欲しいです。勉強や探求活動での成功や失敗は今後の生活の糧となります。楽しく有意義な高校生活を送ってください。応援しています。

・探求活動の中での経験は大学入試だけじゃなくて、この先もずっと役に立つと思うので、頑張ってください!

 

DX探究ツアー実施

8月7日(水)に「第1回DX探究ツアー」を希望者向けに実施しました。

午前にサンタフェガーデンヒルズ,午後に東京広域臨海防災公園を訪れました。サンタフェガーデンヒルズは内閣総理大臣や閣僚も視察するDX技術を用いた最先端の介護福祉施設であり,施設見学,介護ロボットの実践を行いました。防災公園は,災害発生時には首都圏広域の現地対策本部として機能する場所であり,「地震発生後 72時間の生存力をつける,体験学習ツアー」に参加しました。

 

 

以下に生徒の振り返りを抜粋して掲載します。

〇サンタフェガーデンヒルズ

  • 事前にネットで、善光会さんがどんなことをおこなっていらっしゃるのかを学んできたつもりでいたが、実際に見てみることで、機械の使用の様子や職員の方々の負担軽減がよりわかりやかった。実際に視察に行くことの大切さを知った。どの職員の方々も意識していらっしゃったことは、何でも自分がやってあげるのではなく、相手がやってほしいことをやる、という、相手のニーズに答えることであった。やはり介護と聞くと、生活の全てをやってあげなければいけないというイメージがあったが、介護において大事なことは、相手のニーズの満たし、生活をより良くすることだと学んだ。なにか介護関係でボランティア等があれば、ぜひやってみたいなと思った。
  • 介護士とはお客さんのニーズに応えることが大事な仕事だと知った。様々なケアをやりながらコミュニケーションも大切にする、忙しいだろうけどやりがいのある仕事なんだなと思った。最先端の技術をたくさん見てとても格好いいと思ったし、憧れをもった。今回の見学を通して介護士のイメージががらっと変わり興味が湧いたので参加できて本当に良かった。
  • 介護施設はただ単に介護が必要な人のお手伝いをするところだと思っていたけれど、ニーズを考えて相手に接しているというお話を聞いて、大切な本質に触れられた感じがした。仕事として人が提供する何かが、提供する相手の状態や希望を分析した結果であるべきだということが、どんな職種においても共通することなのではないかと気がつけた。
  • なんでもかんでも手伝ってあげようとするのではなく、利用者の「こうしたい」という意思を尊重して「できる」ことを「できない」に変えないようにニーズに合った介護をすることが大切だということがわかった。また、介護する人が辛かったら介護される人も辛いという言葉が印象に残った。機械を効率良く使うことで介護をする人にも、介護をされる人にとってもメリットがあるということがわかった。高齢だからといってなにかが変わるわけでもないし同じ人間なのだから自分がされて嫌なことをしないように介護しているのだなと思った。高齢だから、障害者だからといって差別的な扱いをしたり何でもかんでも介護をするのは良くないことなんだなと思った。

 

〇防災公園

  • 避難のときに大切なことについて詳しくなかったけれど、細かくこうした方が良いと説明書きがあったので、とても勉強になりました。今日学んだことを万が一の時に生かせるように、時間がある時にもう一度確認したり、簡易トイレや保存食品を使ってみたいです。実際に被災された方の話もあったので、参考になりました。
  • 首都圏での緊急災害時に本部が防災公園に移ることを知れた。オペレーションルームはシン・ゴジラの撮影地と知られていると聞いた時驚いたが、広くて迫力があり、さすが緊急時に日本を担う場所だなと感じた。防災に関する知識もたくさん展示施設で学べた。防災が起きて72時間が1番重要なので怖がらず今回学んだことを活かせるようにしたい。
  • 今、災害が起きてもおかしくない状況なので、直ちに災害に備えるべきだと改めて思いました。過去の大地震の学びを活かして、今後の大地震に備える体制を日本全体で整えるべきだと思いました。防災公園は年齢層関係なく、進んで学べるところでとても良い場所だと思いました。クイズをやっていくうちに、知らないことがたくさん出て来て、まだまだ知らないことばかりで未熟だと実感しました。避難してからの生活をどう生きるかも大事で、避難場所での生活も想像して備える必要があると思いました。また、大災害が怒った時にどのように避難し、どこで家族と待ち合わせるのかなど、家族で真剣に話し合う機会を設けたいと思いました。進んで防災について学べました。
  • 防災公園では災害ご実際に起こったらどのようになってしまうのかを一部分ではあったけど、実感できて良かった。家具を固定した部屋と固定していない部屋の比較が印象に残った。一部分ではあったけど、実感できて良かった。さらに、自身への備えや、地震がおきたら実際にどうすべきかをパネルや展示で見ることができ、対策ができると思った。

高校生探究サミットIN高女 開催

7月29日(月)に「高校生探究サミットIN高女」を開催しました。

14校から110名が集まり,探究活動の意見交換・情報交換を行いました。

 

目的は,次の3点になります。

・探究活動に意欲的に取り組む生徒どうしが学校の枠を超えて、よりよい社会を形成していくための繋がりを生む機会とする。

・他校の生徒が実施している探究活動を学び、意見交換を行うことで、自身の探究活動の視野を広げる。

・他校、他地域の生徒たちと交流を図ることで、探究できるフィールドを広げる。

 


 

今後も生徒主体の運営体制のもとに継続的に実施し,回を重ねるごとに,参加者の学びの質をより一層高めて参りたいと思いますので,今後ともよろしくお願いいたします。

 

参加者の声抜粋

〇高校生探究サミットに参加して、どのような学びや気付きなどがありましたか。  

  • 質問をされたことで自分の探究の穴を発見し、改善策まで練ることが出来た。サミットで意見の交換をしていなかったら気づけなかったと思うので良かった。
  • 何個か質問され、「調べたことがなかった」というものが多くあり、様々な課題に気づくことができた。また、人によって様々な探求の進め方があり、調査の方法について学ぶことができた。
  • 世の中には多様な方向に視野を向ける人がいて、分野は違うけれども、だからこそ素朴な身を賭していた疑問を見つけることができるのだと分かった。故に、課題解決のためには多様な知識を研究や人から得ていく必要があるなと思った。
  • 自分が気づくことのできなかったことの中にも、興味を惹かれる面白い話がたくさんあったし、意外なことから自分の興味関心に繋げることができるのだとわかった。
  • 違う探求をしているからこその新しい視点を貰う機会が多く、とても刺激的でした。特に、皆が自分の意思で参加しているため意欲的に意見交換が行えたため、1時間とは思えないほどの様々な視点での学びが得られたと思います。
  • 自分の探究テーマについて一切知らない相手に説明し、意見をもらうことがとても大変だとわかりました。説明の中で、必要な情報の取捨選択や相手の理解を促進する図や表があることがより良い意見の交換になると気づけました。

 

〇高校生探究サミットに参加しての感想や要望などを自由に記述してください。      

  • 私は探究活動があまり進んでいなかったけれど、いろんな先輩方に話を聞いてすごく有意義な時間を過ごすことができたのかなと思いました。学年を超えた交流の機会は全然ないのでそれもいい経験になりました。あと、探求に対して更に興味を持ったり、同じような探求のテーマをしている人を参考にしたりもできました。
  • 高女生だけの意見では成り立たなかったことも今回のサミットを通じて様々な学校の人や学年の違いを超えて交流ができ、解決ができたので内容がとても濃かったです。
  • 3年生になってから、他の生徒と探究活動について発表し合う機会がほぼ無かったのでとてもいい経験になりました。学校ごとに探求の内容や進め方にも特徴があり、聞いていて沢山の発見がありました。
  • 様々なテーマの人がいるから、面白いテーマやユニークな探究に出会えたり、自分では気付かなかった地域の問題点や悪いところについて知ることが出来てとても良い経験になった。また、自分と似たテーマの人の発表から良いところを盗めたり出来て勉強になった。
  • 1人6分だと少し少なく感じることが多かった。高校内だとやっぱりできることが限られてしまうので、繋がりを生むことが出来るのは凄くいいと思った。
  • 普段の学校生活や友達との会話の中では話すことのない話題(宇宙、哲学的なもの、心理など)について楽しみながらお互いに意見を出し合うことができた。年齢の近い人たちとこういった話題で盛り上がる経験はあまりなかったのでとても楽しかった。
  • 普段の探究活動では、誰かのテーマについて話し合ったり深掘りしたりはしないので、とても貴重な機会だったと思う。自分にはない考えやテーマを聞けるのは面白かったし、他の視点から自分のテーマを見れるのもよかった。今回の話し合いを通して、さらに探究活動への意欲が高まった。夏休みには、今回のサミットで得た視点を踏まえてフィールドワークを行いたい。
  • 太田や前橋など住んでいる地域によって探求している内容がかなり違ったので、興味深いと思った。他の学校の人とたくさん意見交換できたので、自分の探求を深める上で収穫になった。"

 

 

1年生 探究基礎講座(発展探究編)報告

7月3日(水)の発展探究で行われた探究基礎講座の様子をお伝えします。

 

今回の目的は「日本の建国の理念,宗教観,自然観と私達との繋がりを探れる」きっかけをつかむことです。以下のようなワークを行いました。

 

1 伊勢神宮,サンピエトロ大聖堂,パルテノン神殿の写真を見て,気が付いたこと,考えたことをまとめる。

2 「いただきます」に込められている意味を知る。

3 「はし」を含む単語を探し,その単語は何を繋いでいるのかを考える。

4 11月23日は「新嘗祭」から「勤労感謝の日」に変わった理由を調べて考える。

 

≪本日の振り返り全般≫

・今まで全く知らなかった日本のたくさんのことについて知ることができました。探究で学んだ日本のことはとても誇るべきことだと思うので、大切にしていきたいです。今後は日本のもっとたくさんのことを知っていきたいです。

・自分たちの何気ない日常の中にも日本の原点やお国柄があることが分かり、またその意味なども調べて知ることができた。日本人が原点をあまり知らない理由は、 GHQの政策や宗教じみているものだからだと思う。現在グローバル化として多くの宗教が混在している中で、神道の話はやりにくいのだと思う。それで興味を持つ持たない以前に知る機会がなく、浸透していないのだと思う。今回の調べ学習で自分が日本について何も知らないことが分かった。日本にはどんな物語があるのかを知るため、古事記などの本を読みたいと思った。インターネットでは自分の知っていることからの派生しかわからないため、本を多く読み多くのことを知りたいと思う。

・日本は道徳的な面でとても発達していて、また天皇と国民との関係性がヨーロッパの王子と民衆の関係性とは異なるものだと知った。今後は日本以外の国の原点についても知りたい。そして、日本の自己肯定感や社会参画、意識の低さについて、その理由を考えてみたい。

・日本は外国と比べて特殊な考え方を持っていて、日本でないと成り立たないということを知れました。例えば、天皇の御所の警備が少ないことや財布を落としてもそのまま帰ってくることです。日本の原点が答えられないのは、海外との繋がりができてから情報が制限されてしまって、正確な情報がわからないからだと思いました。今後は,日本の現代で行われている行事と昔の行事のつながりを調べたい。また,日本人の言葉にはたくさんの意味が込められているからそちらも調べたい。

・日本について色々な視点から考え、調べることができた。日本の国柄も今まで以上に理解することができた。しかし、多くの人々が日本に興味がないために原点を答えられないと考えた。今後調べたいこと、日本人がどのくらい日本に興味があるのか、どうして興味があるのかないのか、その心情や背景について調べていきたい。

 

≪原点を答えられない理由≫

・歴史の授業で米や仏の建国理念を習うのに対し、日本の建国理念を習わない、習わないことにあまり疑問を持たない,日本の神話を詳しく学ぶ機会がないことだと思う。

・日本人が日本の原点を答えられない一番の理由は GHQ による政策で日本の良い伝統や思いが制限されてしまったからだと思いました。日本が GHQ の支配下でなくなってから70年近くなる今でもその影響が残っていることに驚きました。

・原点となっていることが生まれてきた頃からの当たり前なことだから、それを習慣としてただするものだと教えられていて、なぜそうするのかという理由まで教えてもらえない。そもそも教えている人も日本の原点を知らない可能性が高い。

・日本の原点の一つは自然への信仰や感謝だが、現在では人々の宗教観が変化し、無宗教である人も増えているため、日本の原点を知らないのだと思った。また、戦後 GHQ の改革により情報が制限されたこと、日本の原点について学校で習わないことも理由だと考える。

・大和魂など戦時中の兵士のイメージがあることは気軽に触れられないから、自ら知ろうすると右翼中。二病だと言われるかもしれない。

 

≪今後調べたいこと≫

・身近な神社が建てられた理由。そこの中に今の日本人に通じる精神性がある,そういったものに第一線で関わっている人に聞き、よりリアルな言葉で知りたい。また、外国とも比較し、日本人ならでを見つけていきたい。

・知らないうちに日本がどんどん外国に占領されていたり、他国を優先して日本が損していることを調べる。こんなに良い国を守っていくために、安全保障や日本の外国人の受け入れについて調べたい。

・日本の原点について知らないこと、答えられないことが想像以上に多かった。これから先社会に出ていく中で答えられた方が良いと思うし、これから知識を深めていきたい。

・なぜ,今の日本は昔の日本に親しんだり、学んだりする機会が減っているのだろうか?いつから日本の原点について語られなくなったのだろうか?そこで何があったのか?日本人の自己肯定感が低くなっているのはいつからか?

・戦前の日本が受け継いできた。たくさんの素敵な思いや伝統がきっとあると思うので、そういうことについてもっと調べたいです。

1年生 探究基礎講座(発展探究編)報告

6月19日(水)の発展探究で行われた探究基礎講座の様子をお伝えします。
 今回の目的は「日本の建国の理念を理解し,現在の私達との繋がりを探れるようになる」きっかけをつかむことです。
 高校生の皆さんは,建国の理念について考えたことがありますか。全ての物事には原点があります。つまり,建国の理念は国家の原点とも言えるでしょう。アメリカの建国の理念は,1776年の独立宣言に「すべての人間は神によって平等に造られ,生命,自由,および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている」とあるように,「真に自由の国を作ること」と言えます。フランスの建国の理念は,1789年のフランス革命のスローガン「自由,平等,博愛」と言えます。では,皆さんは日本の建国の理念は何であるか。いつできたのか答えられますか。

 

1 日本の建国の理念を調べてみよう。
≪課題の進行例≫
→ 日本書紀にあった!
→ 約2680年前,神武天皇が橿原の地(奈良県橿原市)に日本を建国したときの「建都の詔」で「掩八紘而為宇(八紘をおおいて宇となす)」とある。
→ 「天地四方八方の果てに至るまで、この地球上に存在する民族が、あたかも一軒の家の中に住むように、皆仲良く暮らす」という意味である。
→ 確かに,人種的差別撤廃を国際会議(パリ講和会議)で初めて提案したのは日本だった!

 

2 インドネシア独立宣言の「05年8月17日」とはいつのことなのか。理由とともに班で協力して調べよう。
≪問いの進行例≫
→ 「皇紀2605年8月17日」のことだった!
→ 日本がインドネシアに対して,植民地「支配」をしていたら,日本の敗戦後にわざわざ「皇紀」を使う?
→ 西欧列強諸国のように,現地の方々を「支配」するものではなく,「八紘為宇」の精神で,現地の方々を家族のように扱い,その独立を心より支援していた?
→ 独立宣言以降,インドネシアにいた元日本軍の約2000人もの将兵は家族の待つ祖国,故郷へ帰らず,インドネシア人と共に,オランダに対する4 年にも及ぶ独立戦争を戦い抜き,350年ぶりの独立を成し遂げた!日本人の戦死者は,ジャカルタにある国立英雄墓地に眠っている!
→ 他に似たような事例はある?
→ たくさんあった! インド,タイ,台湾等々
→ 外交戦略を考える上で非常に大切な事実を,なぜ多くの日本人は知らない?

3 「世界に平和がおとづれて万民太平の幸をうけるまで懸命の勉強することが大切なり」
こちらは,ある日本人が幼い娘たちに書いた手紙です。どんな人がどんな場面で書いたのかを班の皆で想像してみよう。
≪課題の進行例≫
→ 特攻隊員の出撃前の手紙であった!
→ 自分が死ぬことが分かっていても,世界平和を願っていた!
→ 他の人の手紙,遺書にはどんなことが書いてある?
→ 家族、故郷への感謝,想い,日本民族の福祉,世界人類の和平など・・・

 

4 元特攻隊員の山崎さんのインタビュー内容から,違う立場の人の心情を理解するために大切なことを考える。
≪課題の進行例≫
→ 山崎さんが,出撃命令時に「心臓を冷たい手で握られたように感じた」と感じたのは恐怖から?
→ 実際は全然違った!「崇高な使命感からくる緊張感」であった。
→ 戦後を生きている私達は,戦時中の若者の気持ちなど理解できない!
→ 山崎さんの話を伝え聞いた新聞記者は「恐怖を感じた」と書いてしまった!
→ 実際に,現場に行き,一次情報を仕入れることが大切である!

 

≪本日の振り返り≫振り返り,建国の理念と現代日本人との繋がりを考えてみる。
・今回の授業で日本の建国理念である「あめのしたに一つの家のような社会を築こう」というものに従って、他の国を救っている事実があったのだなと思いました。山崎さんの「心臓を冷たい手で握られたような感覚」というものは恐怖からではなく緊張からということに驚きました。今の私は生きている時代が違うから、そのように考えることはできないだろうと思いました。彼らのおかげで今があることを心において、これからを生きていこうと思いました。

・日本の良さを新たに学ぶことができて、日本人で良かったなと思った。そして暖かい国だなとも思った。今まで特攻隊員はかわいそうで、胸が痛くなると考えていたが、少し見方が変わった。今の私たちがあるのは,昔の人のおかげでもあるんだろうなと考えた。

・日本の建国や建国の理念を全く知らなかったので、もっと知っていこうと思いました。日本人なのに日本の歴史をしっかり知らなかったりすることもあるのだと思いました。特攻隊員の人に対しても誤った認識を持っていたと分かったので良かったです。学校の登下校中に知らない人でも家族のように頑張っているね,などと話しかけてくれる時に八紘為宇の精神を感じます。

・米国の建国の理念は知っていたのに日本のは知らなかったので、もっと自分が住んでいるところについて、ちゃんと知るべきだと思った。また、紀元前はキリスト教が影響している言い方なので、それには少し違和感を感じた。また、先入観を持つことはあまり良くないことだと感じ、これからはそういったものを持つことをやめようと思った。

・他国の建国理念を知っていながら、日本の建国理念を知らないというのは自分にとって盲点だったので、この機会に知ることができてよかった。今では戦争はいけない,戦争を繰り返してはいけない,などが多く教えられているが、具体的に当時の日本人や他国の人々がどう感じていたかを知らなかったので、とても面白かった。現代の物差しで考えるのではなく、いろんなものさしで物事を考えられるようにしたいと思った。

・日本に住んでいる限り制限があって、なかなか知ることができない情報もあるので、日本だけでなく海外から見た視点なども考えることが大切だと分かりました。海外について、日本との歴史的交わりを知ることが大切だとわかったので、もっと調べてみたいと思いました。また、山崎さんの話ではその時代の人の立場になって考えることが大切だと分かりました。これからの探究では現地に行って直接見ることを大切だとわかったので、是非現地に行ってみたいと思いました。

・日本とインドネシア、台湾、インドタイの関係は全然知りませんでした。日本はアジアに対してひどいことをしたという認識でいたので、それが変化しました。日本の建国理念についても考えたことがなく、建国自体もそんなに昔だったのかと感じました。日本人として外国との歴史、日本の歴史について、より詳しく知りたいと感じました。

・日本の建国が思っていた以上に古い出来事で、それでも建国理念として言葉が今でも伝わっているというところがすごいことであると感じました。また、世界と日本の関係を見てみても、日本は建国理念のもと動いている事実もあり、今の日本の民度が高いのは建国当初からの思いが受け継がれているからであり、戦争の話を経て先人の教えを受け継ぐことも大切だと思いました。

・授業の前は日本がアメリカに戦争を仕掛けて多くの犠牲者を出した国だと思っていたが、インドネシアなどからは感謝されていることを知り、驚いた。最近、こども食堂が私の家の近所にもできたが、これも八紘為宇の精神によるものなのかなと思った。

・今の自分たちには考えられないような価値観を戦時中の人々は持っていたのだと知りびっくりした。今の日本があるのは、この人たちのお陰なのだと感謝する一方,二度とこんなことが起こらない世の中になればいいなと思った。何かを落としてもそのまま何かしらの形で帰ってくる,互いに思いやりを持って接しているところに八紘為宇の精神を感じます。

・山崎さんの言葉とインタビューを見て、ただインターネット等で見るだけでなく、現地に行く大切さを知った。ネットでは表面的なことしかわからなくても,現地に向かうことで、第一人者の方の意見を聞けたり、自分で感情を体験することができると思った。夏休みには是非フィールドワークに行ってみたいと改めて思った。

・日本の良さについて、その由来をより深く広く知ることができました。どうしても戦争についてはネガティブで可哀想に書かれてしまうことが分かりました。今日の学習を踏まえて、今現在起きている戦争について考え直してみたいです。また、戦争後に教育を受けた人はもちろんのこと,戦争前から生きていて、経験を語ってくれている人にも GHQ の影響を感じました。兵士と国民のギャップがあるとも思いますが、ほとんど負のイメージを持たせるものが多いイメージだなと感じました。戦争中の日本の考え、精神も少しずつ受け入れ、より広い視野を使えるようになりたいです。

・特攻隊の方のインタビューのように、私たちは現代の尺度でしか、過去の出来事について考えることができないと分かりました。いつか実際に戦時中に残された手紙などを読んでみたいと思いました。日本が建国された時の八紘為宇の精神は今にも生きていて、そのお陰もあって日本の平和があるのかなと思いました。

・インドネシアやタイ、台湾など日本への感謝を持っている国があったのは知らなかった。日本国民として国際的な日本の立場や歴史的な他国とのつながりなど知っておくべきことはたくさんあると感じた。神武天皇の言葉が現代の日本人のアイデンティティーとして残っているのかもしれない。

・日本を知るにつれて日本を好きになり、日本人であることを誇らしく感じた。多くの外国と様々な関わりを持っていて、それが今にもつながっている。だから視野を広げるために昔の日本を知ることは大切だ。

・私たちが日本人だからと言って、日本のことを全部知っているわけじゃなくて、外国からの情報を聞くことで、日本の戦前の話も得られることができると知りました。特攻隊の話も聞いて無駄なことだと思っていたけど、実際には大きな成果があって、その犠牲のおかげで私たちの今があると知って,とても驚きました

・特攻隊の話は小説を読んだり、自分で調べたりもしたけど、いつ考えても理解ができないです。今を生きている私には考えることすらできないことを昔の人たちは当たり前のようにしていたんだと不思議な気持ちになりました。機会があったら自分の目で実際に見て昔の人の思いをより深く感じたいと思いました。

1年生 総合的な探究の時間 情報分析会 報告

 619()1年生の総合的な探究の時間の様子をお伝えします。

今回の目的は「社会問題を見いだす視点=情報分析力」を身につけることです。

授業は,以下の流れで進みました。

 

1 普段の日常生活で気になったことの写真を撮る(ニュース画像等を取得)。

2 写真を撮った理由(どこが気になったのか? 課題だと感じたのか? 面白いと思ったのか?など)を書く。

※ここまでは,授業日までの準備

3 写真に関連する内容の情報を収集して分析する。

※分析の基本的な視点

・時間軸(現在と過去を比べてみる。)

・空間軸(「他」と比べてみる。他県,他国…)

・立場軸(自分とは異なる立場で考える。賛成・反対意見を比べる。)

・客観的な事実(データ,証言,証拠を提示する。)

・定量化(解決策の判断基準としての量的関係をおさえる。)

・マクロ視点(問題全体を俯瞰する。ミクロとマクロを往還する。)

・お金の流れ(資金源は?株主は?誰が得をするのか?)

4 振り返り

・自分が事前に注目して調べたことを発表したら、周りのみんなから次から次へと新しい注目点を見つけてもらえて、さらに詳しく調べることができて楽しかったです。自分で新しいことに気づけるのは面白いと思いました。グループの人の発表の中でもお菓子の値上げは物価上昇という風になっていたけど、原料に着目したら豚熱でトウモロコシ(原料)が減ったことが原因でとてもびっくりしました。

・一つのテーマについて、色々な視点から自分で調べたことがなかったので、一つの疑問が解決すると、じゃあこれは?、と自分の中から次々に疑問が浮かんできて面白かったです。群馬と東京しか詳しいことが調べられなかったので、東北や関西など地方によって差はあるのか知りたくなりました。中学生までのデータしか出てくることがなかったので、高校の給食費はどうなっているのか気になりました。世界の給食はどうなっているのかも知りたいです。

・ただ、調べるだけではなくて、自分で一回発表して自問自答してみるのも良いなと思った。身の回りには色々な疑問や発見があるので、探究の時間以外にも自分で調べたり、FWに行ったりしたいと思った。だんだんと心理的安全性を意識して発表ができるようになってきた。

・私たちの身近なところに様々な発見があることが分かりました。普段は「気になるところ」という視点で物事を見ていないので、物事にも「なぜ」を考えていくことで、現代社会の課題などについても様々な角度から見て新しい考え方も生まれると思う。

・友達と発表しあった後に質問されて自分が見えている視点とは違うと思い、共有の大切さを感じました。その質問のことを、さらに調べてみると意外なことがわかったりして、自分の考えを深めることができました。また、友達の調べた内容にも興味が湧きました。

・私は最初に仮説を立てずに調べてしまいましたが、班の人は仮説を立ててから興味のあることについて調べていたので、自分もすぐに調べるのではなく、自分で仮説を考えてから調べて知識を身につけたり、関心を深めようと思いました。2回目の発表で外国と日本では形は違うのかという質問に答えられなかったので、外国との違いについて追加で調べたいです。

・班の人から意見をもらって、調べたら自分が調べていたことに繋がったり、新たな視点が広がったりするきっかけになったので、中学校の頃は班活動が苦手でしたが、今は楽しいと思えるようになりました。私の調べたメガソーラーについて、祖父や祖父の仕事仲間の方に話を聞いてみたいと思った。

1年生 探究基礎講座報告(発展探究編)

6月12日(水)の発展探究で行われた探究基礎講座の様子をお伝えします。

(発展探究についてはこちら、探究基礎講座についてはこちらを参照ください)

今回の目的は「日本の善いところに気が付き,その理由を考えられるようになる」きっかけをつかむことです。

以下のような課題に取り組みました。

 

1 日本(人)の善いところ(性質)を探して箇条書きで挙げてみよう。

≪課題の進行例≫

・治安の良さ マナーの良さ 助け合うこと 謙虚さ

 きれいな水 豊かな自然 平等な社会

 ⇒ 無人販売所が成り立つのは日本だけ!

   財布を落としても交番に届く!

   大災害でも略奪や暴動が起こらない!

 

2 京都御所(左),ウィンザー城(中),ヴェルサイユ宮殿(右)の写真を見て,京都御所の特徴として気が付いたこと,考えたことを班でまとめよう。 

≪課題の進行例≫

・質素,飾り気がない

 ⇒好みの問題?お金がなかった?

・和,落ち着いている,緑豊か

 ⇒自然観?宗教観?

・建物が低い,壁や塀も低い。

 ⇒防衛力が低いけど平気?外国の城は堅固な造りだけど?

 

3 京都御所が無防備(堀,石垣,櫓,兵の駐留所も無い)で良かった理由を考える。

≪課題の進行例≫

・天皇は神の子孫であると考えられていたから?

 → 神仏を信じない人に対しても平気?

・堀や石垣がないことで国民と隔絶されないように感じられたから?

・天皇の民を第一に想う姿に民衆が信頼を寄せていたから?

・天皇が普段から国民のことを第一に考えてくれているということが国民にも伝わっていたから,攻撃しようと思わなかった?

 → 有名な「民のかまど」に繋がる?それ以外のエピソードは?

 → 古代、中世、現代の天皇の国民に対する姿勢は「知らす」だった!

 

4 日本書紀・古事記に登場する,人民,百姓,庶民といった単語の読みかた,その読み方をする理由を調べ,現代との繋がりを考える。

≪課題の進行例≫

・代々の天皇は祖先である神々から最も大切な大(おお)御宝(みたから)として人民を預かっている。

 → 人民のための政治をしなければならない。

 → 日本は天皇の「知らす」国,人民・百姓・庶民は「おおみたから」である!

 

≪本日の振り返り≫振り返り,もっと調べたいこと,知りたいこと

・「民のかまど」の話はとても素晴らしいものだと思いました。今の政治のイメージを振り返ると,そんなはずはないとも思ってしまいましたが,昭和の時代まで続く考えならばきっと本当だろうと思い,なぜ教科書から消されてしまったのか,本当に不思議です。もし「他国に侵略しそうだから」という理由だったとしても,全世界の全ての人間を「おおみたから」と捉えられれば,むしろ世界平和が実現できそうだとも思うし,本当の理由を自分なりに考えてみようと思いました。

・日本は天皇の「知らす」国,人民・百姓・庶民は「おおみたから」である。天皇のように上に立つ人間の考えからは,その土地に住む人々全体に影響を与え,受け継がれてゆくものだなと改めて思った。同時に,天皇が他国の皇帝のような考え方だったら,今のような日本にはなっていなかっただろうなと思った。

・教科書から消された内容や,以前は教えていたのに教えなくなったことについて知り,誰に利益が生じるのかを観点にして深く考えてみたい。いつの時代も,自分のことを心配してくれる人,気にかけてくれる人は信頼されると感じた。

・「民のかまど」の話を初めて読んで,日本人の精神の根底にある大事なこと,善いところに気づきました。大昔から天皇は,日本をよく知り,国民を愛してくれていたんだと思いました。大日本帝国憲法はあまりよくないものだと思っていたけど,初めて知る事実があり,本当のことをもっと調べてみたいと思いました。

・男系天皇の跡継ぎ問題があるが、遠い昔の人民が伝えた大切なもの、日本の文化、歴史、そういったものを考えると男系天皇を次世代に繋げるべきだと考えられるなと思った。

・今までの経済や政治のデータを見ると,日本は他国より衰えているなと感じていたが,日本人にはデータでは測りきれない善い所がたくさんあると分かった。その理由は,環境や文化,歴史から読み解くことができる。昔の人の考え方が今でも語り継がれていた事実に驚いた。

・日本の国柄に触れて,改めて,日本が道徳的にすごい国だと感じました。また,代々の天皇陛下の行動に感動し,国民を想い,行動する方々であると感じました。天皇陛下の腰を低く国民を想い,国民一人一人誰も見落とさない思いからの様々な行動が国民に伝わり,そして国が一つになることが素晴らしく,維持していきたいと感じました。天皇の他のエピソードや天皇家の生活,教育法を知りたいと思いました。

・自分が住んでいる国のことをよく知らないと気付いた。戦後の教科書,教育が制限され,それが今でも続いていることは驚きだった。教科書が黒塗りにされた所はどのような内容だったのか,ウォーギルトインフォメーションプログラムの詳細を知りたいと思った。

・国民と天皇が互いに信頼し合っていたが,日本人の今まで続いている善性や御所の無防備さに繋がっていると分かった。日本には茶道や弓道など,日本古来の作法がたくさんあり,その一つ一つには意味があるので,どうしてそのような作法ができたのか,そのルーツを知りたいと思った。

・大日本帝国憲法の「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」の「統治ス」の意味は「治(しら)ス」であることに衝撃を受けた。学校では,大日本帝国憲法は天皇主権で,日本国憲法は国民主権であると習っており、ついつい天皇と国民を対立するものと考えてしまい,大日本帝国憲法に良いイメージが持てなかったが,これは戦後統治のプロパガンダによるものかもしれないと思った。日本人としての歴史や伝統をちゃんと学ばないといけないと思った。

・父が天皇についてかなり批判的で,昔から悪いところを教えてもらったり,テレビを見てきたりしたから,私も天皇に良いイメージを持っていなかったけれど,この話がたとえ嘘だとしても,価値のある大切なこととして大切にされ受け継がれてきたという事実は先生も言っていた通り変わらないということにハッとしたし,見る目がかなり変わったと思う。天皇についてもっと知っていきたいと思った。

1年生 探究基礎講座第5回報告

6月12日(水)の1年生の総合的な探究の時間の様子をお伝えします。

 今回の目的は「教育の目的と問題点を把握し,その原因と対策を探る」きっかけをつかむことです。教育の目的は,「人格の完成を目指し,平和で民主的な国家及び社会の形成者たる国民を育成する」ことと言えます。そこで,日本の若者の社会参画意識,自己肯定感について取り上げて考えていきました。

 

図1     

出典:日本財団「18歳意識調査」第46回 テーマ:「国や社会に対する意識」(6カ国調査) 2022年

 

1 図から読み取れることをまとめ,社会参画意識が低いとどんな問題が起きるのかを考えたり調べてみる。

≪生徒の問いの展開例≫

○  図から読み取れること

・「自分の行動で国や社会を変えられる」,「政治や選挙,社会問題について,家族や友人と議論することがある」といった社会参画意識が極端に低い。

○   社会参画意識が低いと…

・個人や企業が私利私欲に走ってしまう?

 → 巡り巡って国力が落ち,個人の生活水準が下がり,安全保障が脅かされる?

・政治家が私利私欲に走ってしまう?国民の方を向かなくなる?

 → 目先のお金,選挙,利権等…

 → 国民はますます政治に嫌悪感を持ち,政治から遠ざかってしまうという悪循環・・・

 → 巡り巡って国力が落ち,個人の生活水準が下がり,安全保障が脅かされる?

○   教育の失敗?

「平和で民主的な国家及び社会(=よい世の中)の形成者」を育成できていない?

 

2 社会参画意識が低い原因を考えてみる。

≪生徒の問いの展開例≫

○   過去はどうだった?(時間軸)

・投票率は? → 戦後は段々と下がっている? → 戦後に何があった?

○   政治が腐敗しているから低い?

・他国は腐敗していない?

○   なぜ,家族や友人と政治について議論しない?

・興味が無いから? 

 → なぜ興味が無い?

 → 代わりにどんな話をしている? 

 → なぜその話題を選んでいる?

 → なぜその話題が流行っている? 

 → いつどこで誰がどんな意図でどのように流行らせている? 

 → どうすれば,家族や友人と政治についての議論ができるのか?

○   学校で学ばないから?

・なぜ学校で社会参画意識を育てる教育が効果的に行われていない?

 → どんな教育が実施されれば,社会参画意識が育つのだろうか?

 

 図2「自分自身に満足している」についての回答

 出典:令和元年版「子ども・若者白書」調査対象:13歳~29歳の青少年

 

3 図から読み取れることをまとめ,自己肯定感についてもっと詳しく調べるために必要なことを考えて調べてみる。

≪生徒の問いの展開例≫

○   過去はどうだった?(時間軸)

 → 最近のデータはあるが,一昔前のデータは無い?

 → 自己肯定感の低い国民の国が,欧米列強に対して自主独立を保てた?

○   国民性の問題?

 → データを調べるのは難しそう?

○   教育の問題?

 → 教育に問題があるなら,年齢(学年)が上がるほど下がる? → 下がっていた!

小学校低学年は授業中にみんな手を挙げて発言するけど,中学では挙がらなくなる?

 → 学校教育,家庭教育にはどんな問題があるのだろうか?

○   お金の問題?(マクロ経済も踏まえた視点)

 → 家庭教育にどんな影響を与える? → 子どもの貧困率はどのように推移している?

 

≪本日の振り返り≫感想,本日のテーマについてしっかりと考えていくために必要なこと

・日本人の社会参画意識の低さが、日本の政治や経済にどのような影響をもたらしているのかや、なぜ社会参画意識が低下したのかを、歴史的背景、国民性、生活やメディアの変化など、様々な観点から考えることが必要だと思いました。自己肯定感については、日本とヨーロッパなどの違いから、日本の特徴が見えてくるのではないかと思いました。

・自己肯定感や社会参画意識が低い日本人が、欧米列強に対して、自主独立を保てたとは思えない。戦後の占領政策でどのようなことが行われたのかを、もっと調べていきたいと思いました。

・社会参画意識の低さと自己肯定感の低さは紙一重だと思った。また、学校や家庭内での教育の質の低さも関係していると思った。家庭内での教育の質が低くなる原因は、平均収入の低下にも関係していると予想したので、日本の課題は全て繋がっていると改めて感じた。何か一つでも改善すれば、他の課題も一緒に良くなっていく気がした。

・最近の政治状況から日本人は今後社会が良くなると思う人は少ないのに、社会参画意識が低く、社会を変えようとしていないところが日本の大きな問題であると知れた。いい社会をつくるためには、日本の現状を知り、社会を変えようという意識が大事だと思いました。また、日本人の自己肯定感が低いのは、教育方法にも原因があり、今後、自己肯定感を高めるための教育を考えていく必要があるとも思いました。

・日本の社会参画意識、自己肯定感のデータから、教育について考えることができました。テーマに「教育編」と書いてあっても、教育にとらわれず、お金の面や、日本を統制する人の考えなど広く考えるべきなのだと感じました。1つのテーマに絞らず、より多方面から問題を見る力を、実際に自分の探究が始まる前につけておきたいです。

・今回のテーマが「教育」と聞いたとき、学校に関する問題が頭に浮かんだが、子供の自己肯定感や政治への興味を掘り下げていくと、様々な問題に繋がっていて、改めて世の中の問題の繋がりを考えるきっかけになりました。

・普段何気なく感じていたことを掘り返してみると、歴史的事実や政治的問題などが関わっていることがわかった。気づきで終わりにせず、それが起こった原因などその裏にあることを調べて、自分は流されていないか、本質を見抜くようにしていきたいと思った。

1年生 探究基礎講座第4回報告

6月7日(金)の1年生の総合的な探究の時間の様子をお伝えします。

(「探究基礎講座」の概要はこちら)

 

今回の目的は「気候変動問題について定量的に考える」きっかけをつかむことです。

テーマは以下のようになります。

 

1 「実際に」どれほど温暖化しているのかを読み取る。

出典:気象庁データより作成

※「15地点平均」は都市化の影響が比較的小さいとみられる地点の平均

 

※世界の年平均気温を求める際に用いられる地点は都市化の影響や地域的な偏りは考慮していない。

出典:気象庁ホームページ

 

≪生徒の問いの展開例≫

○    図・表から読み取れること

・世界の都市の平均気温は100年で0.7℃上昇している。

・都市化率が高いところほど,平均気温が上昇している。

・冬のほうが平均気温が上昇している。

・最低気温のほうが,最高気温よりも上昇している。

冬の最低気温は大きく上昇しているが,夏の最高気温はあまり変化していない。

 → 暑い日はあまり増えていないが,めちゃめちゃ寒い日がなくなっている!

 

○    もっと詳しく調べるために

・過去1000年,1万年,1億年規模で見てみるとどうだろう?

 → たった100年レベルで見ていくのは無理がありそう? 

・二酸化炭素濃度の推移と合わせて見てみるとどうだろう?

  → 二酸化炭素濃度の上昇と気温の上昇は関連があると簡単には言い切れない?

 

2 二酸化炭素削減の名目でどんなことが行われているのか,そのコストはどれくらいなのか,身近なことから考えたり調べたりしてまとめる。

 

再エネ発電賦課金の推移 2022年度4.2兆 2023年度4.7兆(予想) 

出典:資源エネルギー庁

 

≪生徒の問いの展開例≫

○    身近なことは?

・レジ袋有料化,メガソーラー,電気自動車,水素燃料,風力発電,原子力発電…

○    メガソーラーを例にとれば…

コストは? 環境負荷は? 原料は? 生産国は? 生産者は? 出資者は? 法律は?

○    結局色々やっているが、「何兆円」かかり,どれだけの「手間」をかけているの?

 

3 1,2までの内容、日本の経済状況を総合的に踏まえて,日本の温暖化対策の是非について考えをまとめる。

出典:財務省      

出典:国土交通省資料より作成

 

出典:IEA

 

≪生徒の問いの展開例≫

○ 公共事業程度の5兆円を使用すれば、1年あたりの気温上昇を何℃抑えられるのか?

 →10万~100万分の1℃? 


○    海外は削減しようとしている?

・最大排出国の中国は? 石油メジャーは? 産油国は?

 

○    二酸化炭素が増えたり,温暖化の影響についての素朴な疑問…

・豪雨被害が増えたり,台風が強くなっている? 

 → 本当に? どの程度? 温暖化と関係があると言い切れる? 

 → そうだとしたら,日本は治水予算を増やすべきでは?

・砂漠化が進行する? 

 → 砂漠化するところもあれば緑地化するところもある?

・海水面が上昇して水没する国が出る? 

 → 実際はどうなっている? 水没どころか面積増大? →弱者を利用したプロパガンダ?

・シロクマちゃんがかわいそう? 

 → 増えてた! シロクマプロパガンダ?

 

・そもそも温暖化で滅びるほどの二酸化炭素を排出できる?そんなに石油は産出できる?

 → あと○○年で石油はなくなるとか言っていた人やテレビ局はどうしてるの?

・食料増産に繋がる? 

 → 二酸化炭素が増えて,気温が上がれば作物は育つ?

 ※植物が進化した時の4億年~1億6000万年前は CO2濃度は今の5~10倍!?

 

○    日本の経済状況は?

・GDP世界シェアは20%から5%に!

・一人当たりのGDPは,G7(主要7か国)首位から最下位に!

・手取り収入が550万⇒417万! しかも,消費税3%⇒10%! 物価・光熱費も高騰! 

・そもそも十分な道路整備や,災害対策にもお金が使えていない!

 →もし仮に二酸化炭素削減が有効だとしても、まずは、日本経済を立て直してから、 二酸化炭素削減に取り組むべきでは?

 

≪本日の振り返り≫感想,本日のテーマについてしっかりと考えていくために必要なこと

・今までメガソーラーはメリットが大きいものだと思っていたけど,自分が知らないデメリットも大きくて驚いた。丸谷さんの話でもあったように,自分が肯定したいと思ったものでも,それについてよく知り,デメリットの面も見ることが必要だと感じた。

・地球温暖化は悪影響を及ぼしていると良く聞くが,本当はあまりないかもしれないということが衝撃だった。様々な統計を見てみることが大切だと思った。問題の解決には,どうしても利権が絡んでくるから,定量的に情報を読み取ることが大切で,そのときに簡略化していくと分かりやすくなるということが分かった。自分の身の回りにも,環境対策があったので,興味関心を抱くと,もっと深く知ることができるので,これからはもっと色々なことに興味・関心を抱いていきたい。

・今日の授業を通して,自分が情報調べとグラフの分析が苦手だな,と感じました。これから自分の情報処理能力を上げられるように,日々様々なグラフに向き合ってみたいと思います。また,最初に全体の見通しを立ててから情報を探すことで,見つけるべき資料の量や質を決めてから調べたりするなど,工夫をしていきたいです。

・物事は様々なものと繋がっているため,一見関係がなさそうだとしても突き詰めていくと,案外影響し合っているということも少なくない。物事を考えるときには,広い視野を持つことが必要だ。メリット,デメリットだけでなく,そうすることで誰が得をするのか,裏で何が行われているのか,などを調べると良い。

・今日は,気候変動問題について,定量的な視点を中心に,様々な視点から考えることができました。定量的に考えるときの計算方法なども学ぶことが出来たので,これからの探究活動に活かしていきたいです。また,二酸化炭素排出を減らすために,多くのコストがかかってしまうと,経済発展にも悪影響を及ぼしてしまい,技術が衰え,逆に悪い方向にも行ってしまうのではないかと思いました。そのために,日本はどうするべきなのか,自分にできるのは何かを考えたいと思いました。

・私が今まで聞いてきた,思ってきたことは本当にあっていることなのか,不安に思った回だった。実際に自分で調べて,定量化をもとにした情報や,様々な見方から考えた情報を知らなければいけないと思った。今まで漠然と誰かに教えてもらった知識で生活してきたけれど,世の中には色々な事実?情報があって,これからは自分で情報をあさるべきだと思った。

 

7月29日(月)探究サミットIN高女 開催決定! 参加者募集!

意欲のある他校の生徒と交流をして,探究活動のヒントを得たり,フィールドを広げませんか?

 

探究活動に真剣に取り組めば取り組むほど,自分の学校や地域だけでは必要な情報やデータ,ノウハウ,人脈を得ることが難しかったりするという声をよく聞きます。そこで,探究活動に意欲のある生徒同士の「人脈」を作り,現在取り組んでいる探究活動をより充実させることをねらいとして、高校生どうしが交流できる機会を設けました。生徒のみの参加も可能です。

 

次のような人におすすめです。

1 探究活動の気合いを入れたい!仲間を見つけたい!

探究活動に意欲的に取り組んでいる他校の生徒との交流から刺激を受け,探究意欲を高められます。貴重な協力者を見つけたりすることもできるでしょう。

2 探究活動のヒントを得たい!

探究活動の困りごとや悩みを共有したり,他校の実施状況を知ったり,他校の生徒からアドバイスをもらったりして,今後の探究活動のヒントを得られます。

3 探究活動のフィールドを広げたい!

他校の生徒と繋がりを作ることで,探究活動のフィールドをさらに広げられます。

※上記のような項目に少しでも該当するような生徒の皆さんのご参加をお待ちしております。

 

以下にチラシの画像を載せておきます。(PDF版⇒高校生探究サミットin高女チラシ.pdf

 

申し込みはこちら 7月17日(水)締め切り https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScmj6dQd6eH1Rnzcc6Dtn0bTauzMBC9ppB_SNp4fcxFfAQdoA/viewform

1年生発展探究始動

 6月5日(水)より,1年生の希望者向けの「発展探究」が始まりました。「発展探究」とは,水曜の6限に実施している総合的な探究の時間(思惟の時間)の続きとして7限に開講された授業です。6月中は,6限は「発展探究」の受講の有無に関わらず1年生全員が同じプログラムを行い,7限に「発展探究」独自のプログラムを行います。7月からは「発展探究」の受講者は,6限,7限と一貫して独自の発展的なプログラムを実施します。

 「発展探究」を受講していない生徒のプログラムとの大きな違いは,異学年(2年生,3年生,卒業生)の交流の機会が多いこと,探究基礎講座の発展的な内容を扱うこと,探究活動をブラッシュアップさせるための相互フィードバックの機会が多いことなどがあります。

 この日は、今後のスケジュール説明,質疑応答に続いて,心理的安全性を高める人間関係作りワークを行いました。興味関心を突き詰め,社会問題について主体的に考え,多角的に分析し,行動していく中で,豊かな社会,国家を築き上げる「本物の」リーダーになりましょう!

 

Aタイムを利用した探究活動打ち合わせ

6月5日(水)の3限は,Aタイム(生徒がそのときに必要な学びを主体的に選びとる時間)でした。今回はAタイムを使い,探究活動の打ち合わせをしていた場面を紹介します。

 

 以前の記事で,3年生の生徒の事例紹介として「高女教室」というものを取り上げましたが,本日はその運営打ち合わせを行っていました。高女教室とは,子供たちの自己肯定感(ありのままの自分を受け入れ,前向きな気持ちで物事に取り組める気持ち)を高めるために,異年齢集団による体験学習プロジェクトとして立ち上げたものです。第1回は少人数で実施し大好評でしたが(詳細は⇒こちら),第2回は規模を拡大して8月に実施予定です。しかし,3年生1人だけでの運営を続けると,規模の拡大には限界があり,また有意義なプロジェクトを立ち上げたとしても,卒業と同時に立ち消えてしまいます。そこで,後輩に運営スタッフとしての参加を呼び掛けたところ,1,2年生の有志が集まりました。

 3年生にとっては運営メンバーを集めることで,プロジェクトの規模の拡大,持続性の向上に繋がりますし,後輩にとっては先輩の理念やノウハウを引き継げるメリットがあります。また,「教育」に携わる探究活動をする生徒にとっては、自身の教育プログラムを試したりするなど,多くの可能性を秘めた「場」とも言えます。

 このように,先輩が立ち上げたプロジェクトを後輩たちが引き継ぎながら,その理念やノウハウを継承し,自分自身の探究活動をより発展させていって欲しいと思います。

1年生 丸谷元人先生 探究講演会実施

5月31日(金)の1年生の総合的な探究の時間の様子をお伝えします。
本日は1年生で実施している探究基礎講座の一環として,外部の専門家を招いての探究講演会を実施しました。
(「探究基礎講座」の概要はこちら ⇒ 探究基礎講座概要)

講師は「危機管理コンサルタント」の丸谷元人先生です。

 丸谷先生は南太平洋、中東およびアフリカの危険地帯での治安・テロ対策、誘拐事案対応、地元政府および部族との交渉、大手グローバル企業におけるセキュリティ体制構築やリスク・危機管理部門を担当した経験から、世界情勢を実体験に基づいたミクロな視点とマクロな視点を往還させながら多角的に分析されている方です。
 総合的な探究の時間とは,「興味関心を突き詰め『よい世の中』の作り方を考えて行動していく」高校教育の中核をなす科目です。(詳しくはこちら⇒探究活動とは)そんな生徒達の探究活動は「情報の収集・分析」から始まるのですが,丸谷先生は「情報の収集・分析」の失敗が「死」に繋がる現場をくぐり抜けてきた方であり,まさに「情報の収集・分析」の第一人者と言える方です。 

講演テーマは
「ウクライナ/ガザ戦争から見るプロパガンダ報道」
 - ウクライナ戦争における報道はどれだけ正しかったのか?
 - イスラエルとハマスの戦いにおける報道との差は?
 - 過去の国際報道における大手マスコミの誤情報
になります。

豊富な現場経験,数多くの専門知識に裏付けされたお話は,まさに「新聞やテレビからは100年かけても得られない」ものでした。
60分の講演の後は,20分間の質問時間がありましたが,質問が途絶えることはありませんでした。講演会終了後,放課後に実施された大会議室での追加質問会では40名程度の生徒が参加し,熱のこもったやり取りがなされました。講演会,追加質問会の熱気は,過去に見られなかったものであり,まさに「本物」に触れることで,生徒の「魂」が強く揺さぶられるものでした。

≪講演の要点≫
 私達が普段目にする情報の中には,特定の意図を持つものがあり,知らず知らずのうちに「思考を支配」されてしまうことがある。その流れは,
・恐怖を与える。
・対立させる。(分断統治)
・自由を制限する。
・自分がやっていることを正しいと信じ込ませる。
・思考を支配する。
というものである。

特に,以下の項目に該当するものは代表的なプロパガンダの手法である。
・レッテル貼り ⇒○○系の人
・断言 
・情報操作 ⇒都合のよいことを強調,反対の主張は隠蔽や捏造
・集団心理 ⇒周りはみんなやっている
・一般化
・証言の利用
・敵の創出
・ステレオタイプ
・身分や権威の利用
・美辞麗句の利用
・究極の選択

 

こういったプロパガンダに簡単に乗せられないためには,
・お金の流れを追う。
・誰が得をしているのかを考える。
・愛と憎しみ,善悪二元論を持ち込まない。
・感情に流されない。
・考えることに楽をしない。
・自分で現場にいってみる。
・出来る限りの情報を多角的に集める。
ことが大切である。

 生徒が「よい世の中」の作り方を考えて行動していく探究活動で情報収集・分析を行う際に,これらの意識がないと,プロパガンダに乗せられた「プロパガンダ探究」を進めてしまうことになるかもしれません。多くの高校生が「プロパガンダ探究」を進めてしまった先には、どんな未来があるのでしょうか。高女の皆さんには,真実を見抜き,本物の社会問題を解決し,豊かな世の中を築いていってほしいと願っています。丸谷先生,誠にありがとうございました。

 以下に生徒の振り返りを載せておきます。300名の生徒一人一人がワークシートにもの凄い書き込みをしていました。全体の記述レベルが非常に高いなと感じました。

 

≪今後の探究活動で生かせそうなこと≫
・情報を収集するときは,ネットなどで調べることよりも,自分で現地や現場に行くことの方が大切であるということ。情報を収集するときは,どの情報に対しても安易に飛びついたり,信じ込んだりしないこと,感情的にならないこと。多面的に物事を見る(与えられた視点だけでなく見るのではなく,自ら視点を変えてみる)
・何を信じていい情報かを判断することに生かせそうだと思った。この情報で誰が得をするかを考えて,この情報はフェイクかもしれないし,ほんの一部分かもしれないと色々なことを考えるのが大事だと思った。
・ネットの情報やテレビ,新聞の情報をうのみにせず,自分なりの観点から物事を判断し,データを集めること。また,様々なところからデータを集め,その中の信憑性を高めること。
・物事を一つの考えだけで終わらせようとせずに,これには何かまだあるんじゃないかと考えを膨らませてどんどん探究活動を広げられるのではないかと考えた。その中で調べ物をするときに,フェイクニュースに騙されないよう,すぐに見たものを信じるのではなく,いくつかのサイトを見て判断したいとおもった。

 

≪授業の前後での視点(ものの見方)の変化≫
・授業の前は,情報番組や新聞などに載っていることは,全て正しいものだと信じ切って毎日見ていたのですが,自分が現地に行ったことのない限り,本当のことだという確信はないため,信じ切らず,自分でも考えてみようと思いました。ただ単に考えるのではなく,「自分の思考は都合の良い方に寄っていないか」,「感情的になっていないか」,「思考において楽をしようとしていないか」などを考慮して考えていきたいと思った。
・テレビや新聞に載っていることは,全て本当のことだと信じていたので,今回の講演を聴き,本当に本当のことはごく一部しかなく,その正しいとされる情報もなかなか公になることがないということから,全てを信じず,自分なりの観点から,これは本当の情報であると判断したいと思うようになりました。
・海外のニュースの情報が100だとしたら,日本のニュースの情報が3しか無いと聞いて衝撃だった。本当に少ない一部の切り取られた情報を見て,私達は信じ込んでいて世の中を知った気になっていることにゾッとした。表面的な情報だけを見ているのだという気持ちを持ちたいと思った。
・今までは,マスメディアが本当のことを伝えていないと言うことも分かっていたが,それ以上の情報を集めようとしていなかったが,今回の授業を通して,情報を自分から入手しようと思えたことや,映像にフェイクニュースが使われていることから,映像の細部まで確認していきたい。

 

≪授業の率直な感想,講師の方へのメッセージ≫
・私は今までテレビからの情報をそのまま受け取るだけだったのですが,講演で現実の戦争を知ったとき,自分の想像と現実との大きなギャップがあることを感じ,とても驚きました。また,「思考するときに楽をしない」という言葉を聞いて,これからはより真実に近い情報を知ることができるように,正しい判断,多面的な視点,推察を心掛けていきたいと思いました。私は今回の講演を通して,まずは自分で考えること,その次に現地に行ったり,色々な視点から考えたりすることなどの大切さを学び,実際に行ってみようと思いました。自分の普段の考えかたを改めるきっかけをくださり,ありがとうございました。
・今まで受けた学校の講演会で一番興味深く面白い講演だった。特に印象に残っている言葉は,丸谷先生が,「今私が言っていることも信じちゃだめですよ」とおっしゃっておられたことだ。その後の座談会では,質問する機会があり,その中でも様々な例を入れながら説明して下さり,自分が知らなかった世界へと少し足を踏み出せた気がした。
・これからの日本や世界が心配になった。フェイクニュースばかりあふれていて,マスメディアは権力者の支配下に置かれており,本当のことを発信しようとしている人を殺したりして,私達は気付かないうちに考えを誘導されていて怖いと思った。それに,今の日本は平和だから世界の戦争も他人事で,いつか自分たちも同じようになっていくかもしれないという危機感や,世界を知らなきゃならないという気持ちが全くないと思った。命をかけて発信した人の情報さえも全く報道されて報道されていないのにとても腹が立った。丸谷さんも命の危険がありながらも日々戦っていて,本当に尊敬するし,感謝したいと思った。私はそういう人がいることを頭に置きながら,情報に踊らされずに自分で考えることのできる人になりたいです。

また,丸谷先生の「X」にも生徒のやり取り等が掲載されていますので,そちらもぜひご参照ください。
https://x.com/h_marutani/status/1797664290167771648

1年生 探究基礎講座第3回(総合的な探究の時間)

5月15日(水)の1年生の総合的な探究の時間の様子をお伝えします。

(「探究基礎講座」の概要はこちら ⇒ 探究基礎講座概要)

今回の目的は「日本の現状をマクロな視点で把握し、身近な生活と結び付け、成り行きの未来を予測する
」きっかけをつかむことです。

テーマは以下のようになります。

 

1 過去50年のGDP推移についてから読み取れることをまとめる。

出典:National Accounts - Analysis of Main Aggregates (AMA)より作成


〇日本だけ成長していない!
⇒この30年間で,内戦等が無い国では日本だけが経済成長できておらず,

    GDP世界シェアは20%から5%にまで落ち込んでいる!
⇒一人当たりのGDPは,G7(主要7か国)首位から最下位になっている!

 

2 過去30年の世帯平均収入の推移から読み取れることまとめ,その理由を考える。

出典:令和3年国民生活基礎調査より作成

≪生徒の問いの展開例≫
〇手取り収入が550万⇒417万! しかも,消費税3%⇒10%! 物価・光熱費も高騰!
〇円換算で1997年4月を境に経済成長が止まり,庶民の収入が減っている理由はどこにある?
・工業型社会から情報化社会に変わったから? 
 →1997年に急に変わった?日本だけ対応できない?
・日本型経営の効率が悪いから? 
 →1997年まではトップだったものが,急に通用しなくなる?
・日本の教育水準が低いから?  
 →1997年を境に急に低くなる?現在のレベルは?
・国際金融危機があったから?  
 →日本以外の国はあまり影響を受けずに成長しているが?
・イノベーションリーダーがいないから? 
 →日本以外の世界中の国にいるわけではないが?
・他には何があった?

 

3 1,2から分かったことを身近な出来事や時事問題と結び付ける。

≪生徒の問いの展開例≫
〇GDPシェアが20%から5%になっているということは?
 →日本と諸外国との国際関係にどんな影響を与える?
 →それが国民の生活にどんな影響を与える?
〇一人当たりのGDPがG7首位から最下位になっているということは給料も安い?物価は?
〇日本のGDPはあまり変わっていないのに庶民の収入が大きく減っている?
 →一部の人にお金が集中している?
 →貧困率はどうなっている?
 →もしそうだとしたら,どんな影響が出てくる?
〇スマホは値上がりしている?
 →給料も「値上がり」していれば問題ない? 海外は?

〇海外旅行に行く人は1997年頃からは増えてはいないけど,日本に観光に来る人は増えている?
〇日本が相対的に安くなっているということは?
・企業も買われている?
 →企業が買収されるとどんな影響がある?
・他には何が買われている? 土地?,人?…


4 このままでは日本はどんな国になるのかを予測する。

≪生徒の問いの展開例≫
・少子化,貧困化,資本や土地の買収が進む先に待っているものは?
・ブラック企業の増加?生活環境の悪化?いじめ・非行の増加?犯罪の増加?文化・伝統の衰退?
・「植民地」になってしまう?もうなっている?

 

5 より良い日本にするために,些細なことでも自分たちに何かできることはないかを考える。

≪生徒のアイデア例≫以下のような内容が多く見られた。
・たくさん本を読む。勉強を頑張る。
 →技術力の向上→新製品の開発
 →政治や経済についても詳しくなる。
・政治や社会問題についてしっかり調べて選挙に行く。
・国産製品の消費,需要を増やす。
・地産地消を推進する。
・税金の使い方を見直す。
・教育水準を高める。
・日本の「文化」を意識して生活する。
・政治家になる。
・広い視野で外国のことについても知る。
・自分の頭で考える。(周りに流されない)

 

≪本日の振り返り≫感想,本日のテーマについてしっかりと考えていくために必要なこと

・なぜ政府は外国に支配されてゆく現状を変えていくことができないのか、法律を変えられないのか、疑問に残るものが多かった。自分も知らない日本の現状を知って驚きが多かった。他の人も知らないはずだから、他の人にも知ってもらいたいと思った。
・本を読む。特に普段読まない政治や経済についての本を読んでみる。疑問に思ったことがあったら積極的にインタビューする日常生活でも意識を高く持って日本製のものを買う。外国人に買収された企業はどこか調べてみる。
・日本の未来についてあまり考えたことがなかったけど、ここまで考えられてよかった。日本の未来が明るいとは決して言えないけど、その未来を変えるために少しでも出来ることがあればやりたいと思った。日本の経済について、あまり興味を持ったことがなかったけど、外国との差を見て、もっと経済について知ろうと思った。
・マクロな視点で始まった「日本は経済成長していない」というテーマでも、ミクロな視点で考えると様々な原因があった。興味が無い人に興味を持たせる、知ってもらうことは本当に難しいが、一番必要で効果的だと思った。日本はまだ好きなので、日本を少しでも良い国にしたい。
・大きな問題は一見私達にはどうすることも出来ないように思えるが、分析してかみ砕いていくうちに、自分たちにできることを見つけられる。現状について知り、危機感を持つことが大切だと思った。
・どのような理由が絡んでいるのか遡って考えると知らなかったことを知れて納得できて面白い。調べることにもきりが無いと思った。歴史も法律も地理もいろいろやるべき!
・日本には想像以上に深刻な課題がたくさんあることが分かって、自分たちも日本の未来に向けて行動しなければならないと思った。日本の課題についてしっかり考えるためには、ニュースを見たり、きちんと勉強をしたりする(基礎的な知識をつける)ことや積極的に地域活動などに取り組んで、考え方や視野の幅を広げることが必要だと考えた。
・日本がこれからも日本であり続けるためには、私達も今できることを考えていかなければならないと感じた。もっと日本と世界の状況について知識をつけたいと思った。
・私達は日本を変えていかないといけないと思った!!今日の授業がないとそんな大変なことに気付かなかったので、もっと調べてみんなが知るべきだと思った。どうすれば日本が経済発展できるのか知りたい。
・GDPや収入などの大きな問題も自分には関係ないと思わず、どうしたらよりよい社会になるのかを1人1人が自分のことだと思って考えるのが大切だと思いました。
・このままだと、日本と外国との差が広がってしまい、日本で生きられなくなってしまうと思うので、まずは日本の現状を日本国民全員が知り、みんなで解決できるように努力する。自分から行動する。日本には伝統や文化などたくさんの魅力があるということを外国に伝えることが必要だと思う。みんながこの問題に関心を持つことが大事だと思う。

 

1年生 探究基礎講座第2回(総合的な探究の時間)

5月8日(水)の1年生の総合的な探究の時間の様子をお伝えします。 

当日は先週に引き続き探究基礎講座が実施されました。

(「探究基礎講座」の概要はこちら ⇒ 探究基礎講座概要)

目的は、社会問題の「原因を探れるようになる」きっかけをつかむことです。

「原因」を正しく探らなくては、解決策を考えることは難しいものです。

先週と同様に個人が考えたり・調べたりしたことを、班で共有しながら視点をひろげる活動を軸に展開されました。

 

当日に扱ったテーマは以下のようになります。

1 日本の食糧自給率について (出典:農林水産省HP)

①     食糧自給率が低いことはなぜ問題なのだろうか。

②     日本の食糧自給率が低い理由を調べるためには,どんなデータや事実が必要なのか。

③     グラフにある国以外で,食糧自給率が低い国はどんな国があるのだろうか。なぜ低いのか。

 ※前回の時間軸、時間軸、立場軸という視点に「マクロ視点」を付け加えて、仮説を立てながら考える。

≪生徒の問いの展開例≫

 ①食糧自給率が低い問題点は?
 ・もし災害や戦争・紛争があっても,食料や種・飼料を回してもらえる?
 ・外国人は日本人に対して,食品の品質について責任を持つと思う?
  ⇒つまり・・・安心安全な食品を食べられる?

 

②なぜ日本の食糧自給率は低い?
 ・時間軸で見ると戦後に急激に下がっている!?
 → なぜ戦後に急激に下がったのか?

 → 1950~60年代に何があったのか?
 → 食の好み(習慣)が変わった? 
 → なぜ食の好み(習慣)が変わったのか?
   例えば…なぜ日本人は古事記にも登場する鯨を食べなくなったのか? 
   ※日本の捕鯨にクレームを付けている国の自給率は?
 → 日本の給食はどう変化したのか?


③どんな国の食糧自給率が低い?
 ・やせた土壌,寒冷地,山岳地帯が多い? 

  → 日本は肥沃な土壌,豊かな漁場に恵まれている!
 ・旧植民地でプランテーション作物を多く生産している国?

  → 自分たちではなく、外国人のための食糧を作っている?
 ・ そもそも食糧自給率が100%を超えている国の食料はどこへ??
 ・ GDPにおける国際的な地位低下も踏まえると・・・
  →食料調達において「買い負ける」? 

  ⇒やっぱりカロリーベースが大切?

 

2 日本の科学技術力について(出典:JST「Top10パーセント補正論文数」の「2007~09年」「2017~19年」の上位10位 NISTEP提供)

科学技術力を示す指標の1つとして,科学誌に掲載された自然科学の論文数があります。※「Top10%補正論文」とは他の論文に多く引用される「注目度の高い論文」のことです。

① 10年後の日本に予想されること(論文数はどうなるか?その結果どうなるのか?)

② ①で読み取れたことの原因

※前回の時間軸、時間軸、立場軸という視点に「マクロ視点」を付け加えて、仮説を立てながら考える。

 

≪生徒の問いの展開例≫

①10年後の日本は…

 →もっと論文数が減る?

 →科学技術力が益々下がる?

 →外国で「開発」された製品を「生産」するだけの「下請け」国家になる?

 →労働力が安く買われる?

 →賃金が益々安くなる?

②なぜ論文数が下がっているのか?

 ・日本人の学力が相対的に下がっている? 

  → 「本当に」下がっている? その理由は?
 ・海外に技術を盗まれている? 

  → 本当に盗まれている? なぜ産業スパイを取り締まれない?
 ・研究費にお金を回さない?(投資をしない?) 

  → なぜ投資ができない? → GDPと関係している?

  → そもそもなぜ経済成長が止まった?

≪生徒の振り返り抜粋≫

・日本の現状がよく分かった。万が一何かあった場合、日本の技術力では少し心配になった。前回の空間軸、時間軸に加え、マクロな視点を持つことが大切だと分かった。自分が住んでいる国なのだから、自分のことのようにしっかりと考えていくべきだと思った。他のデータや参考となる書籍を見てみようと思う。

・問題に直接的に関係のある資料や事実だけでなく、マクロな視点を持って考えてみることが大事。問題に対していろいろな視点から考えることを意識し、友達からも新たな視点を見出すように考えることができた。

・日本の食糧自給率が今は低くなっているが、昔はどうかと過去を遡ってみると、ある時期に大幅に下がっていることが分かった。そこからその時期に何があったのかと調べていくと、答えにたどり着くという調べ方が分かった。一つの情報に左右されずに、いくつもの情報を調べることが大切だと考えた。

・空間軸や時間軸、立場軸に着目して考える。調べたことをただ書き写すだけでなく、なぜそうなるのか?などの疑問を持つことが大切だと思った。調べたデータが本当にあっているのかを自分で確認する。自分が今何を調べたいのか、何が必要で何を知りたいのかを明確にする。

・日本の問題について、原因や対策に着目して班で話し合いながら結論をまとめることができた。ただ考えを並べるよりも、疑問とそれに対する答えを繰り返すことで、研究したいこと、調べたいことを明確にすることができると分かった。

・資料を見るだけではわからない側面がたくさんあるから、「なぜそうなっているのか」と疑問を持って課題を見つけたり、解決策を考えたりすることが大切なのではないかと思った。日本にはまだ知らないたくさんの課題があり、解決の目途が立っていないものが多くあることを知った。幅広い視野で日本の現状について情報を得るのが大切だと思った。

 

1年生 探究基礎講座開始

5月2日より、1年生の総合的な探究の時間(思惟の時間)で実施する、「探究基礎講座」が始まりました。

この講座は、「情報分析力」を身につけることと,探究活動を行うための「最低限の知識」を身につけることを目的に、今年度より独自の開発教材を使用したプログラムになります

※「探究基礎講座」の概要は以下のリンクで解説しています。

https://takajo-hs.gsn.ed.jp/blogs/blog_entries/view/485/9d1896d19bd9fa53b3296c669b2c4acf?frame_id=885

 

授業は、生徒個人が考えたり・調べたりしたことを、班で共有しながら視点をひろげる活動を軸に展開されました。

当日に扱ったテーマは以下のようになります。

1 過去30年の海面水位の変化のデータを見て、冷静に考えるために必要なことを考える。

  ※時間軸という視点

  ≪生徒の問いの展開例≫

  →このままでは、どんどん海面上昇して水没する?

  →もうちょっと長い期間で見てみると?

  →上がったり下がったりしている?

  →ということは、今後は下がるかもしれない?

  →「水没する!」とか騒がれている国の面積は増えている?

  ⇒「過去○○年」、「このままでは」という言葉には要注意

 

2 過去30年間の日本のGDP推移を見て、日本の経済状況をもっと的確に把握するために必要な情報を考える。

  ※時間軸+空間軸という視点

  ≪生徒の問いの展開例≫  

  →もうちょっと長い期間で見てみると?

  ⇒過去50年で見れば、経済成長が止まった「瞬間」が分かる。

 

  →他国はどうなっている?(空間軸)

  →順調に伸びている!  

  ⇒「他国」と比較することで、日本「だけ」止まっていることが分かる。

  ⇒日本「だけ」止まった結果「何が」起きているのか、「なぜ」止まったのかと考えることができる。

 

3 合計特殊出生率と有配偶出生率のデータを見て、少子化の原因を考えるために必要な情報を探す。

  ※「仮説」を立てながら情報を集める。

  ≪生徒の問いの展開例≫

  ○ 出生率は下がっているが,結婚している人の出生率は下がっていない。(客観的な事実)
   ⇒ 結婚できる人が減っている?(仮説) 
   → 有配偶率を調べよう! 
   → 確かに下がっていた!
  ○ 有配偶率は低下している。(客観的な事実)
   ⇒ 有配偶率低下の原因はお金?(仮説) 
   → 年収別有配偶率を調べよう! 
   → お金が無いと結婚できなかった!!
  ○ お金が無いと結婚できない。(客観的な事実)
   ⇒ 何でお金が無くなったの?(新たな問い)

4 現代社会において,様々な弊害が取り上げられる二酸化炭素や温暖化について,どんな恩恵があるのかを考える。※立場軸という視点 悪者と「決めつける」とよい部分が見えなくなる。

  ≪生徒の問いの展開例≫  

  →光合成が活発に? ⇒ビニールハウスは二酸化炭素を利用している!

  →光熱費が安い?  ⇒光熱費は冬が一番高く、夏が一番安い!

  →体に優しい?   ⇒死者は冬に圧倒的に多い!

 

5 プラトンの「洞窟の比喩」の話を読み、本日の活動を振り返る。

 

≪生徒の振り返り抜粋≫

・物事を多角的に見ること、自分のいつもとは異なる視点で物事を考えたり、見たり、調べたりすることで、新たな真実や本当の真実が浮かび上がってくると感じた。日頃、私がよく耳にするニュースも本当に正しいのか?本当は違う視点で見られるのではないか?などと考えたり、自分が探究している内容は、全ての人にとってよいものとなるのか?デメリットを発生させることはないのか?とよく考えて調べてみることも大切なのではないかと思いました。これからの探究は、今日学んだことを利用して様々な情報を取得できるようにしていきたいと思います。

・問いについて先入観で物事を決めつけずにグラフや様々なデータを使って事実に近づけることが大事だと思った。今の経済状況、環境問題以外に身近なことをもっと調べてみたい。また、今の時代では当たり前だと思っていることが昔の人にとって当たり前だではないということが多いので、どのようにして今の時代が作られたのかを色々な分野に分けて詳しく調べたい。デメリットが多く思いつくことでもデメリットばかり考えるのではなく、メリットについて考えながら調べたい。

・1つの議題からたくさんの考えが出てきて、どんどん広がっていく感じで面白かった。また、自分の考えとは全然違う考えを友達から沢山聞くことが色々な考え方や物の見方を学んだ。特に出生率についての話し合いが印象的で、お金が関係していると考えたら、そこから沢山の「なぜ?」が出てきてもっと調べて原因を知りたいと思った。

・社会で起こる問題について考えたとき、それを防ぐにはどうしたら良いのか、だけじゃなくて、原因があってこその対策の仕方があると分かったから、もっと深く考えたい。そのために色々な視点から考えたり、仮説を立てて考えると言うことを大切にしたい。二酸化炭素の恩恵に関しては、「二酸化炭素は良くない!」とばかり考えていたけど、恩恵という視点が新しいと思ったので、もっと詳しく調べたいと思った。

・私は普段何気ないデータや情報をみて変化してるなとか一定だなとかを読み取るだけで終わってしまいます。しかし、探究の授業を通してそれで終わってはいけないと分かりました。そのグラフに至る原因というのが必ずあって、それは一目では見抜くことができないと感じました。今回の議題の中では地球温暖化について調べるのが印象的でした。私の中で地球温暖化(二酸化炭素排出)は悪いことだという決めつけがあったので、良いところも多くあることを知り驚きました。視点の転換が大事!

 

1年生 探究オリエンテーション実施

本日、1年生の総合的な探究の時間のオリエンテーションが行われました。

探究部長や3年生の先輩からの話を聞き、来週から始まる探究活動のイメージをつかめたのではないでしょうか。

来週からは、探究基礎講座が始まります。

1年生の皆さん、楽しく探究していきましょう。

下に、当日の様子や探究部長の資料を抜粋したものを載せておきます。

なお、先輩の探究活動については、「探究活動事例紹介」で紹介しています。

 

探究活動事例紹介

3年生の生徒の探究活動の事例を紹介します。

今回は、教育に関わる探究活動をした生徒に話を聞きました。

◯探究活動について
小学校教員を目指していたため教育についての探究活動がしたいと思い、「自己肯定感」に着目して活動を始めました。体験活動や異年齢交流の経験、子どもたちが安心して過ごせる居場所づくりの大切さを学び、自分たちにできることは何かと考えた結果、「高女教室」という小学生を対象にした交流会を企画し実際に開催しました。

◯高女教室について
楽しみながら勉強できる環境を作るため、高校生のサポートで参加者が勉強をする勉強タイムを設けました。また、レクリエーションタイムや自由に遊ぶことができるフリータイムを設けたことで、異年齢交流を活発に行うことができました。参加した小学生やその保護者、ボランティアで参加してくれた高女生の満足度は高く、こうした交流の場・経験の機会をつくること自体に価値と需要があることがわかりました。

◯活動から学んだこと
イベントの企画・運営が想像以上に大変だった一方、多くの参加者に楽しんでもらえたことが事後アンケートからわかり、本当に開催して良かったと感じました。また、実際に自分でやってみることに意味があるのだと思いました。

以下の写真は3月に実施したイベントのものです。詳細は、添付したPDFファイルをご参照ください。

事前打ち合わせいよいよ開始楽しくお勉強お勉強の合間にレクリエーション

高女教室(HP掲載用).pdf

3年生からの2年生へのアドバイス

4月17日(水)の授業では、3年生から2年生へのアドバイスが実施されました。

3年生と2年生がペアを組み、マンツーマンのアドバイスを3回実施しました。

外部の専門家との繋がり方、社会実装するためのコツ等、実際に体験した先輩からのアドバイスは大変参考になったようです。

今後の2年生の活躍を期待しています。

3年生の皆さん、ありがとうございました。

高女高高探究活動交流会

3月13日(水)午後に、Gメッセ群馬にて高女高高探究活動交流会を実施しました。

目的は「他校の生徒との対話を通じて多様な視点を得て、今後の探究に生かせるようにすること」です。

参加者は高女の1年生全員、2年生希望者、高高の1,2年生全員です。

前半は固定班での発表、後半は自由移動形式の発表でした。

生徒たちは積極的に高高生と交流し、新たな視点を獲得していました。

※当日の様子は3月14日(木)のNHK「ほっとぐんま630」でも紹介されました。こちらをご覧ください。

〇高崎女子高校の探究テーマ一覧

養鶏に関わるアニマルウェルフェア
防災
保育士の労働環境改善
保育士の労働環境と、今後の保育態勢を充実させるためにできること
保育士の育て方や教育理念などの観点から幼児教育に関する研究を行った。
勉強の楽しさ
不登校へのイメージを改め、幸せな生き方を見つけること。
発達障害をもつ子供のために
農業人口を増やし人々の農業への興味を高める
難病患者への対応の仕方の現状
道路の舗装が交通事故を起こしているということ
田舎活性化により、災害時の対応力を高めること
中高生のインターネットトラブル
地域交流
地域活性化のための観光
地域医療における医療格差の現状と、その解決策に関する研究を行った。
地域によりそう利用しやすい電車作り
誰もが街を気軽に移動するためのデマンド型交通
待機児童を減らす取り組み
多文化共生社会の実現においての問題点と解決策
多文化共生への理解を通して起こる差別や偏見、それらの対策
生分解性プラスチック
世代間交流を活性化させるためには
人権、差別、ジェンダーなどの問題
人間も動物も幸せに暮らせる社会をテーマに野良猫による被害
身近なふるさとの魅力、深発見!
信越線の本数を増やすため
上信電鉄の利用者を増やすための取り組み
障がい児に対する支援
少子化による、都会と地方の医療に格差が大きくなっていること
循環型社会を形成するに、生ごみのリサイクル率を100%にする方法
渋滞の影響と解消法
車社会による渋滞や環境問題
自転車と歩行者に対する安全な社会の形成
自己肯定感と教育
児童虐待
子供教育に関する研究を行った
子供の宿題に対する苦痛の改善に関する研究を行った。
子育てをより良くするために、乳幼児の食事
子育ての孤立化・ワンオペ育児の解消
子育てと少子化
子どもが行きやすい社会
始動人育成に必要なものについて
産後医療の普及
昨今の児童虐待における課題とその解決方法や改善策
災害時における医療
今の障害福祉が抱える問題と障がい者の方への適当な対応
高齢者福祉の在宅介護に関する研究を行った。
高齢者福祉、介護福祉
高齢者の免許返納、自転車事故、ヘルメット
高齢化を見据えた救急医療
高崎市の食文化、芸術文化の継承
高崎市の観光の活性化
高崎の魅力新発見
高・中等教育の中で部活動においての外部コーチ導入に関する研究を行った。
行政とチャットGPTの関係
広告デザインと社会
交通事故における交通安全施設と交通マナー
現代の中学生のストレス状況の調査と改善案
県内で有名な観光地である草津町を参考にし効果的なPR方法
健康教育
芸術に対する関心及び文化施設の状況
群馬県の働く人口の流出を防ぐための、働きたい職場づくり
群馬県の中高生の自殺とSNSの関係
群馬県の情報発信という視点からみた観光業
群馬県の高校生自転車事故数一位から抜け出すための研究
群馬県の公共交通機関
群馬県の教育現場におけるICT機器の有効的な活用方法
群馬の観光と外国人観光客の相関
空き家・土地の管理や活用方法に関する研究を行った。
緊急医療体制
教育の主体性に関する研究を行った。
教育のデジタル化
観光面での電車の利用客を増やすことによる地域の活性化
観光とバスと街
学校施設の維持や改修に関する研究を行った。
学校教育のあり方
外国人労働者に関する研究を行った。
過疎地域における医療の現状と問題
夏の暑さの現状や原因、それを改善するための取り組みなどの
音楽を通じた観光発展
音楽の授業を通して自己表現力や主体性を高めること
安全な社会のために交通ルールとヘルメットの着用
わたしたちにできる地域のごみ問題に対する解決策
へき地における医療の充実
ダブルリミテッド
スマホが及ぼす幼児への悪影響
スポーツ振興と国際交流

〇高崎高校の探究テーマ一覧

両利きになろう
利き足と非利き足のキックの比較
卵の再利用
野菜の切れやすさ
夜景を綺麗だと感じる理由
夜景の魅力〜100万$の夜景とは〜
無駄をなくしたクイックルワイパーの開発
漫画家になろう
片付けクエスト
不快な音の傾向を知る
廃校再利用project
虹の色を濃くするためには
匂いを長持ちさせる方法は?
匂いの広がり方はモデル化できるのか?
土壌カイロう
点を決めるために
虫を食す
暖かく感じられる匂いはあるか?
大人数でじゃんけんをする時にどのような策を講じると効率よく勝敗を決められるのか?
体の動作で発電することができるか
組絵かるた47
前代未聞の不快な楽曲を作るには
選ばれやすい選択肢
占湯
折りたたみ電動バイク式利用代行サービス
声の解析
数学やりmath~やっててよかったmathda式
睡眠を上手に活用する
水切り石の厚さによって跳ねる回数はどのように変化するのか
人間の目のFPS数について
人はなぜ食後に眠くなってしまうのか
心動かされる音楽とは。
色の割合に占める身体反応
色が陸上競技に及ぼす影響
丈夫で安全な家
消火栓の効果的な利用~火事の被害を最小限に~
獣害に有効で友好な対策
集中力が上がるBGMは?
首都機能移転について
自分の気分はどのように落ち着かせることができるのか
自動車から身を守るために
自転車風力発電機
自転車の重量と自転車の速さ
災害時対応ガイド
最も効率的に英単語を覚える方法は?
黒鉄の成長促進剤(くろがねのセノビック)
合同式における指数と底の交換が成立する条件の考察
高高生が心地よいと感じるコード
紅葉について
古文単語アプリの開発
玉入れにおける最適な動きとは
給食費削減案
韓国語を覚えて女の子にモテよう!
割れにくいシャボン玉を作りたい
学校で寝たい!
化学ポーカー
音楽性の根幹となるコード進行の流行と典型
音楽と酵母の関係
音が人体に与える影響
暗算金魚すくい
わが町クエストマップ
より強い三角形のトンネルをつくるには?
モニタリングハンター
メジャーウォッチ
マルチタスキングと時間の知覚に関連性はあるのか
マスクの眠気に立ち向かうには?
ホコリの蓄積を抑制する方法
ボールの回転とバウンドの高さの関係性
ペットボトルキャップの形状と飛び方の関係
フレイルfree
ババ抜きの勝率を上げるためには
トンボの色を残すにはどのような方法があるか?
テキストマイニングの活用方法
ツヴァイドライ
チョークレイ
チャリアラ
チャフ
たこ焼きを重曹を使わずに作るには?
ダウントーン
スマートウォッチによる高齢者の健康寿命延伸
ストロー改革
ストックマネジメント
シルバイク
サイコロの出る目を予測するには
コマの「ブレード」は運動量変化にどのような影響があるのか
コイキングの「跳ねる」の威力の可視化
ガムを最長までのばすには?
お金
おばあちゃんといっしょ
エダモンサイクル
アイデアポイ活
waste less chalk
trash can
that`s so happy
Studying room finder
RCJJレスキュー用ロボットの開発
problem in 2024 year
OUTET
nichijo english
help wheelchair
freehand
Faster Returning License
eggチョーク
Direction alarm
Clothing recycle
cleth
ChatGPTは人を選ぶのか
ChatGPT3.5の可能性
Caffein Candy 
Be Able To Hear
3Dプリンターを用いたフエラムネの研究
100均のチャンバラ剣はなぜ爆音がなるのか
1/fドライヤー
house recycle

 

探究成果発表会(2学年)

 3月13日(水)4限~6限、2学年では、1年間の思惟の時間(総合的な探究の時間)における探究活動の成果を発表する「探究成果発表会」が行われました。

 これまで12種類のゼミに分かれて、各個人でテーマを決めて探究活動を進めてきましたが、本日はそれぞれの生徒が同じゼミのメンバーに向けて発表を行いました。発表者以外の生徒は、発表を聞きながらGoogle Jamboardに質問や感想等を入力し互いに共有し合うなど、発表活動に積極的に取り組みました。

発表の様子① 発表の様子②
ある生徒の発表に対する感想・質問のJamboardの内容

総合的な探究の時間 ゼミの様子

本日は探究のゼミの様子をお伝えします。

2月7日(水)に商品のパッケージの広告効果を研究している3年生の生徒の試食アンケートを実施しました。4種類のパッケージに同じイチゴ【やよいひめ!】を入れて、味覚の違いなどを調査していました。日々の学業の合間に、急にイチゴを4つも!食べられることになり大いに喜んでいた生徒達でしたが、4種のパッケージに同じイチゴが入っていることを試食後に明かされて、味覚の感じ方の違いがあることに驚いていました。

なお、この研究を行っている生徒は地産地消カルタの研究開発も行っています。大学進学後には「人と人の繋がりによって社会問題を解決するソーシャルマーケティング」、「農家とデザイナーの共創による効果的な広告の創造の実現のための価値共創」について研究を進めて予定です。

今回の試食のイチゴは前橋市の「STRAWBERRY KUWABARA」様のものを使用させていただきました。生徒達はとってもおいしく頂いておりました。誠にありがとうございました。

1学年対象『国際理解授業』

 令和6年1月23日(火)、国際性・意欲・リーダーシップを備えた生徒を育成するため、群馬県立女子大学外国語教育研究所職員及び研究員の外国人講師5名(Timothy先生,Harry先生,Mark先生,Milena先生, David先生)をお迎えし、『異文化理解』をテーマに3教室に分かれて授業をしていただきました。

 先生ご自身の異文化体験を披露したり、「人を見た目だけで判断する危険性」について、クイズ形式で楽しませてくれたりするなど、授業はそれぞれの先生方のやり方で行いました。 授業を受けた生徒の反応も大変良く、「もっと話したかった」「活発な授業で、楽しかった」など、好意的な声が多数でした。

1学年によるグローバルリーダー養成講座

 令和6年1月19日(金)、清泉女子大学文学部地球市民学科教授の安齋徹先生をお迎えし、『グローバル人材の条件』というテーマでお話をいただきました。 講座内容をコース料理に見立てたり、ワークシートも用意したりしてくださったりしたので、生徒達は安心して参加できました。

 また、安齋先生はペアで考える時間を設けてくださり、生徒が発言する場面も作ってくださいました。さらに最後の質問コーナーでは、複数人が質問したことに対して丁寧に応えてくださいました。講座終了後にも、個人的に質問したいと申し出る生徒さえいました。どの生徒も有意義な時間となったようです。

 将来のリーダー像として、単に行動の光を輝かせるのではなく、ひとり一人の内に秘める「心」の光を強く輝かせてほしいと、高女生にメッセージを送ってくださいました。

<生徒感想 一部抜粋>

  • 日本人の前に地球人であることを忘れずにグローバル化において、地球全体をよりよくするひとつのピースになれるよう成長していくたいと思う。
  • 安齋先生が「得意を伸ばす」ということを推してくださったので、自分なりのグローバルリーダーシップスタイルを作っていきたいと思えた。
  • リーダー像の変遷についてのお話では、カリスマ型だけでなく協調型リーダー必要になってくるということに興味をもった。誰しもがリーダーになれるという考えが素敵だと思った。

探究ツアー スタジオ4℃視察 12月14日(木)

探究活動支援の一環として、希望者を対象に、東京都のスタジオ4℃視察ツアーを実施しました。

「芸術表現の発想・手法を学び、本物に触れることで、自身の探究活動の内容を深め、発信方法を工夫できるようにすること」を目的としています。

当日はスタジオ内の現場視察、社長インタビュー等で充実した時間を過ごすことが出来ました。

以下に生徒の感想等を抜粋します。

 

参加しての率直な感想

・アニメーションスタジオに入るという貴重な体験をすることができ、人生の宝になったと思います。質問にも親身に答えていただき大満足でした。最後に画集を頂けたのは感激でした。本当に行ってよかったです。生の現場はやっぱり臨場感が違って感動しました。

・質疑応答の時間で、今まで知らなかったことをたくさんお聞きすることができて良かったです。スタジオの中を見られる機会は滅多にないため、とても貴重な体験だったと思っています。もう一度行きたいくらい楽しかったです。

・スタジオを生で見たのは今回が初めてだったので、緊張しましたがとても興味深く楽しかったです。また、質問に対して回答をたくさんいただけたので、調べるだけでは分からなかった新たな視点が生まれました。

・何から何まで凄かった…というのが率直な感想。プールを改装して作業場所にしているのもすごいと思ったし、空き缶が転がるだけのシーンであれだけの枚数を使っていることから、途方もない時間をかけて描いたものが繋がって一つの作品になることが分かった。映画やアニメを見るとき、もっと細かい部分まで見ないといけないなと思った。

 

・作品を作るのに大勢の方の力が必要であり、各個人の労働時間やペースがあるなかであのクオリティの高い、様々なバリエーションのある作品を作ることはとても大変だと思った。田中社長の人柄に触れ、社長になるような人は頭の回転が早く、キッパリハッキリした話し方で、いろんなことに気を配れることを実感した。

 

参加して得られた学び

・最近の傾向では、鑑賞能力の低下がみられていることから、視聴者の好みで消滅しつつあるテレビ番組があることがわかった。そこにあえて大衆化しないような作品づくりに意識を置いていることに感動した。必要な人材として、広く興味を持つ、人と共感できること、経験豊富であること、が求められており、ただ絵がうまいだけでは十分ではないとわかった。"

・わかりやすいものが好まれてヒットしていく、鑑賞能力の低下が顕著であるという言葉が印象に残り、他の社会課題とも関わりがあるのではないかと思った。映画製作に携わっているプロの方でも、画面の見せ方やカット割りを研究しながら作っていて、「これを伝えたい!」という強い思いを持つことが大切なのだと学んだ。

・映画の作成方法や仕事の内容など専門的な知識だけでなく、プロモーションの方法やスタジオで工夫している事など他のことにも当てはまることも知れた。

・様々な仕事に分岐しているこのアニメーション制作という仕事はその分マネジメントが大変であるが、そのマネジメントがあるからこそチーム全体の連携が成立しているのだということを学んだ。

 ・最近になって「主体性」を学校などでよく問われることが多く、従ってばかりではなく自分で考えて行動することは良いことだ、と言うイメージがあったけれど、お話の中でまずは周りの指示に従い、世界を知ることがとても大事だと聞き、今まで自分が感じていたモヤモヤがなくなった気がしました。まだ経験が浅く知らないことが多い私にとって、なんでも自分から自分で考えて行動することに苦手意識と変なプレッシャーを感じていたけれど、まずはたくさんのことを知って吸収するように努力しようと思いました。他にも今まで知りたいと思っていたアニメ作りの詳細について少し知ることができて良かったです。

・アニメ制作の専門的な知識を大学で学ばなくても、民俗学や心理学などの専門外の分野でもアニメーターやアニメ制作に関われる仕事につけることが分かった。また、その専門的な知識がアニメ制作に活かせるとわかった。

 

スタジオ4℃の方へのメッセージ

・この度は見学を受け入れてくださり本当にありがとうございました。「絶対に忘れません」という言葉は大体嘘になってしまうんですけど、今回の体験は本当に素晴らしいもので、一生忘れないと思います。アニメーターさんたちの現場を見学することができ、沢山の質問にも丁寧に答えてもらい充実した時間を過ごすことができました。将来アニメーターになりたいのなら、大学もイラストやアニメ関係に行かなければならないのかな、と思っていたのですが今回どんな学問を専攻してもアニメーターになる道はあるというお話を聞いて、安心しました。このインタビューはアニメへの興味をより深いものにするだけでなく、自分の将来を考えるという点でもとても有意義なものになりました。本当にありがとうございました。

・昔から絵を描くことが好きで、アニメーションを作る仕事というのにとても興味があったけれど、高校に入ってから忙しくて趣味から遠ざかり、将来の道の一つとしてのアニメ制作の夢を諦めかけていました。ですが、今回のお話で、学部などに関係なく好きならアニメを作れることを知り、とても嬉しかったです。まだ自分にも可能性があることがわかり、勉強も好きなことも全力で頑張ろうと思いました。また、画集をくださり本当にありがとうございました。一枚一枚がとても素敵な絵ばかりで感動しました。私が大好きな世界観な物ばかりなので、一生大切にします!気になっていたアニメに関してのことや、それ以外の社会との関わり方などのお話を聞けて、とても参考になりました。吸収したことをこれから活かして頑張ります。映画も観ます!ありがとうございました。

・スタジオ4℃様の、作品に対する情熱や高いクオリティを追求する姿勢が本当に素敵だなと思いました。ひとつひとつの画面構図や線、アニメーションが丁寧かつ独創的で、作品集や背景画集を見て感動しました。エデンの花をまだ観に行くことが出来ていないのですが、必ず観にいきたいと思いました。また、拙い質問に対しても非常に丁寧で沢山の回答をして頂いてありがとうございました。

・今回は貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。

私は小さい頃からテレビアニメを見たり、絵を書いたりすることが好きで、ずっとアニメスタジオの見学やインタビューに行ってみたいと思っていました。また、進路選択で美術系の学問に進むか、それ以外の興味のある学問に進むか迷っており、実際に働いている方の声を聞きたかったこともあって、思い切って見学に参加しました。

質問タイムのとき、緊張していたのですが、一つ一つの質問に詳しく丁寧に気さくに答えていただき、リラックスできました。本気でアニメ関係に進もうと努力している人が大勢いる中、私は、部活や学校の勉強で手一杯で、絵画教室などに通っておらず、美術コースにも入っていません。それで本気でアニメ関係の職業を目指すのかといえるような状態です。生半可な技術しかないのなら、諦めるべきだと思っていました。でも、専門外の知識だって、アニメ制作には充分活かせる事ができ、絵はだんだん上手くなっていくものだと聞いて、諦めるのはまだ早い、自分なりの知識と技術でアニメ制作に貢献したい、と前向きになれました。スタジオ4℃へ行って、見て感じたことは私の人生で一番の思い出です。最後に頂いたアートブックを宝物にして頑張ります。

・今回は貴重な機会をいただきありがとうございました。元々アニメや映画にすごく興味があったという訳ではないのですが、実際に制作現場を見て多くの時間と労力をかけて作られていることを知り、作品をちゃんと見てみたいと思いました。また、膨大な時間をかけて描いたものがほんの数秒しか映らないことを知り、映画やアニメーション作品を見るときは背景の描写など細かい部分まで見ようと思いました。今後探究活動で発表する機会などもあるので、伝え方の面で今回学んだことを活かしていきたいです。

・この度は質疑応答や訪問にご対応いただきありがとうございました。私は、幼い頃からアニメが大好きで今でも沢山見ています。まさかその制作の場を自分の目で見ることができるとは思っていませんでした。本当にありがとうございます。視察をさせていただいた時に働いている方々を見かけましたが、皆さん仲が良さそうでこういった仲の良さがあのクオリティの高い作品を作り出せるひとつの秘訣だと感じました。楽しかったです。ありがとうございました。

 

スタジオ4℃の皆様、誠にありがとうございました。

探究ワークショップ実施

11月24日(金)に群馬大学理工学部の板橋教授をお迎えして、探究ワークショップを実施しました。

板橋先生の活動紹介から始まり、生徒の探究活動紹介、質問から始まるフリートークといった形で進みました。

板橋先生は、
・環境中の有害物質の分析と除去に関する研究
・農作物への重金属取り込み抑制に関する研究
・ウイルスの不活化材料に関する研究
といった幅広い研究をされているだけでなく、株式会社を立ち上げて会長を務めるなど、まさに生徒の目指す「社会実装活動」を進めています。当日は、研究の話だけでなく、資金の集め方、人脈の築き方など幅広い話をしていただき、生徒にとって大変参考になるイベントになったようです。

以下に生徒の感想をいくつか載せておいます。

  • 板橋先生の発想力と行動力が本当に凄いと感じた。全力でチャレンジすることの大切さ、失敗をチャンスだと捉えることの大切さを改めて感じた。以前別の講演会に行ったときもそうだったが、実際に課題と解決策を見つけて自ら行動を起こし、学校や教育活動の枠外で探究活動に全力で取り組んでいる大人を見ると、もっとアクティブに動いていいんだと気付かされ、「私もやってやろう!」という勇気をもらえるのが良いなと思った。
  • 探究の進め方に悩んでいたので非常に参考になるお話を伺うことができ良かったです。先生の様々なことにチャレンジする姿勢にとても感銘を受けました。
  • l実際に起業して研究成果を商品として形にしている教授のお話が聞けて貴重な時間が過ごせました。今日、学んだことを自分の研究や将来の夢に活かしていきたいです。
  • クラウドファンディングによる資金集めの方法が、いくつか大胆で驚いたけれど、私も探究活動においてそれくらい活発に自分から動いていこうと思った。
  • 今日の講座を通して、探求のテーマは大きなものでなくて、身近にある小さいことから始めるのもおもしろく、やりがいがあるということがわかりました。板橋先生の話し方がとても上手で、聞き手にとって苦でなくもっと知りたいという風に思えました。自分の研究テーマは食なので、もっと身近な視点から捉え直してみようと思います。ありがとうございました。
  • 最初は難しい話なのかなと思いましたが先生の人柄や話が本当におもしろくて最初から最後までとても楽しかったです。今までの様々な商品の開発についての話は自分が探求を進めるときの参考にできるところも多かったのでとても良かったです。

板橋先生、誠にありがとうございました。

11月1日(水) 2年生からのアドバイス


今年度は、探究活動の節目となる場面で、2年生が1年生の教室へ出向きアドバイスを行っています。現在、1年生はグループを作り、自身の興味関心のある社会問題について、その原因を探究するために校外へ出て現地調査やインタビューを進めています。そこで、2年生は昨年度のグループ探究や、今年度の個人探究の経験から、校外での学び方、社会問題を解消するための課題の設定の仕方についてアドバイスを行いました。今後は学年を越えて生徒が学び会える場に発展させて行ければと考えています。

9月20日(水)、9月27日(水) 卒業生メンター助言会実施

9月20日(水)、9月27日(水)に2年生向けに卒業生メンターによる助言会が実施されました。
生徒は自身の探究活動の経緯を説明し、メンターからの助言を共有することで、今後の探究活動を進めるための多くの気付きを得ていました。
次回は2月に実施予定になります。
卒業生メンターの皆様、ありがとうございました。
当日参加した生徒、メンターの感想を載せておきます。

 

生徒の感想

  • 探究を進めるにあたって特定の結果を出すことを目標とするのではなく、進めていく途中で出た疑問や考えを更新していくことが大切だと思った。
  • 教育格差を、子供の自信と経済格差の2つの視点から調べようと思っていた。着目する視点が多すぎると煩雑になってしまうと教えて頂いたので、2つに絞って探究していこうと思った。
  • 探究テーマが似ていたため、アドバイスや失敗談に説得力があり、具体的に何をすればよいのか、を知る良い機会になりました。また、質問に対して一言で終わらずに追加情報も加えてくださり、とても参考になりました。
  • インタビューのアポイントメントも取れておらず、進捗状況があまり良くないため、不安を感じたが、先輩は私の探究内容のアドバイスはもちろん、焦る必要はないと背中を押して下さった。自分の探究をやり切りたいと改めて強く思えた。また、先輩の受験の体験談も知ることができ、進路に関しても前向きになった。先輩に相談をして良かった。
  • 先輩がどのように探究に取り組んでいたかが分かってとても参考になった。探究の着地点を考えながら進めること、行き詰まったらとにかく色々試してみること、時には妥協すること・諦めることの大切さなど、なるほどなと思う話ばかりだった。自分が進めているプロジェクトのアドバイスも貰えたので今後の活動に活かしていきたい。
  • 先に行われていた探究を聞くことで、このあとの自分の予定の参考になりそうだ。外部の人に発表するのが初めてだったので、まとめるのに苦労したが、その分自分の内容がしっかり明確になったと思う
  • 今後の探究を進めるにあたりとても参考になるアドバイスをいただくことができよかった。現地でのインタビューをためらっていたが、先輩のお話を聞いて直接インタビューをするのも考えてみようと思った。
  • 探究の進め方や大学での探究について詳しく聞くことができてよかった。今のうちに自分のやりたいことを突き詰めていくのが大切だとわかった。
  • 探究のことだけではなく、地元の大学の良いところや悪いところを知ることができて楽しかった。先輩が生きる上で大切にしていることを聞けて良かった。
  • 大学生活を経験した上で高校生のうちに大切にしておきたいことや、実際に探究を最後までやりとげた先輩方のアドバイスを直接聞けたので良かったです。
  • 先輩の成功例や失敗例を聞くことができ、良い機会になったと思う。自分のテーマからズレないようにインタビュー先もよく吟味する必要があるとわかった。
  • 経験を積んできた人からの話には説得力があった。また、いろいろな経験談を聞けて自分の生活を見直そうと思った。これからどのように探求活動をしていけばよいかわかった。
  • プロトタイピングについて悩んでいて行動が滞っていたが、先輩がアドバイスをくれたので、ひとまずそれをやってみようと思えた。


先輩へのメッセージ

  • 実際の探究の進め方を伺うことができ、とても参考になりました。また、先輩のアドバイスをもとに探究を進めていきたいと思います。ありがとうございました。
  • 探究のことだけではなく、大学生活のことや探究テーマに繋がった趣味のことも聞くことができて楽しかったです。私は自分の好きなことや趣味をテーマにしなかったので、そちらの分野も絡めて探究を進められたらいいなと思いました。
  • 助言会ありがとうございました。とても優しく説明してくださり、楽しかったです。大学生活は楽しくもあり、大変でもあると思いますが、将来の夢のためにも頑張ってください!
  • 先輩が親身になって相談に乗ってくださったおかげで、探究だけでなく普段の学校生活もより良いものとなりそうです。明るく接していただいて、どうもありがとうございます。楽しいひと時でした。
  • 先輩がどのように探究に向き合っていたかが分かり、とても参考になりました。また、これからどんなことを意識してどのように探究を進めればよいかが明確になりました。頂いたアドバイスを今後の活動に活かしていきたいです。ありがとうございました。
  • 今回はありがとうございました。情報工学については興味がある分野だったので、そちらの研究の話を伺えて将来を想像することができました。
  • 参考になるお話を伺うことができ本当にありがとうございました。先輩のアドバイスを活かしてより良い探究をしていきたいです。
  • 探究を進める上でのアドバイスがとても参考になりました。マインド的な部分についても学ぶことができたので、今後社会実装を目指して色々なことに取り組むときに意識したいと思いました。ありがとうございました。
  • 探究について話しに来てくださったのに、大学の話をたくさんしてくださってありがとうございました。探究も進めなくてはいけないなと思いましたが、自分の進路もしっかり考えようと思えるきっかけになりました。
  • お忙しい中、私達のために準備をして、貴重な話をしてくれてありがとうございました。先輩方のアドバイスを参考に、これからの探究活動を頑張っていきたいです。
  • 短い時間でしたが、アドバイスをたくさんしてくださりありがとうございました。熱心に話を聞いてくださり嬉しかったです。夢に向かって頑張ってください。
  • 今回、このような機会を頂いて本当に感謝しています。とても良い話が聞けました。大学の勉強、そして将来に向けて頑張ってください。
  • 先日は助言をありがとうございました。先輩方の体験をもとに、これから有意義な活動にしていこうと思います。テーマに関係の深いものを日常的に見ていきたいです。ありがとうございました。

 

メンターの感想

  • 私たちの時は、探究活動へのアドバイスをもらえる機会がなかったので、このメンター制度はとても良い取り組みだと思います。インタビューほど固くなく、ラフな雰囲気で話せたところが良かったです。探究をもう少し進めてからこの会をやったほうが、こちらもアドバイスしやすく、より有意義な助言会になると思いました(実施時期が早い?)。
  • 私が在校生の時、誰に相談すれば良いか分からないことがあり、今回のような機会はそのような生徒の助けになると思いました。私自身もとても楽しむことができました。
  • 私たちの代と少し違った方向性ではあったので少し不安はありましたが、和やかな雰囲気でお話や質問に答えたりすることができたので安心しています。
  • こちらとしても私には無い考え方や意見を知ることができる良い機会となりました。"
  • 後輩のみなさんの研究意欲に刺激を受けました。自分が大学で研究したい内容と似た研究や、興味を持っている内容の研究をしている生徒もいて、興味深かったです。自分の研究を振り返って良かったことや反省点を伝えられたので、これからの研究に活かしていただけると嬉しいです。自分の経験を話す機会はあまりないので貴重な経験ができてよかったです。
  • 高女生の探究のレベルがとても高くて驚いた。探求に意欲的な人が多くて、これからも探求活動を積極的に続けていってほしいと思った。
  • 生徒達ひとりひとりが解決したいと思う研究対象についてよく考え、向き合えていてよかった。後輩たちと話せてとても楽しかった。

 

後輩へのメッセージ

  • 1つの方法にこだわらず、幅広くやってみることが大事かなと思います。頑張ってください!
  • 探究活動と勉強、部活で忙しいかと思いますが、その忙しい生活自体を楽しむことが大事だと思います。高校生活思う存分楽しんでください!
  • 1人で1から進めるのは難しいし、行き詰まることもあると思います。そんな時は同級生や先生など色々な人に頼って気持ちを切り替えてみてください。それぞれが納得のいく個人研究となるよう応援しています。
  • みなさんの意欲や研究にかける力に刺激を受けました。高校での研究で、納得できるくらい取り組むことができれば今後の進路にも繋がったり自分の自信にもなると思うので、頑張ってください。、
  • この探究活動をぜひ続けていってください!大学や将来の研究活動にきっと役立つと思います!
  • 自分の興味のある分野を思いのままに研究できるのは、高校生の特権です。思い切り楽しんで研究してください!