「大きく考えることの魔術」(D.J.シュワルツ著 実務教育出版)
校長 丸橋 覚
私の家の本棚に、長年居座っている本がある。引っ越しをしたり、大掃除をしたりして本を整理する中で、今まで手放せないで本棚の片隅に残っている本だ。私の人生を支えてくれているそれらの本の中から1冊紹介しよう。
「大きく考えることの魔術(The Magic of Thinking Big)」。
「物事を大きく考えるのも小さく考えるのも、考える労力にはあまり変わりはないが、前者は、後者に比べると、比較にならないくらいの収穫をもたらす。」
この本は、大学生・院生の頃、私には珍しく何度も読み返した本だ。重要だと感じた部分に線を引き、感動した部分のページの角を多数折ってある。私を勇気付け、私の考え方を力強く指南してくれた本である。
この本では、「自信をつくる5つの行動」として、1,前に座るように心がける。2,じっと目を見る習慣をつける。3,25%速く歩く。4,すすんで話す。5,大きく微笑む、が紹介されている。著者は、十三章に渡り、私たちの態度と熱意に新しい方向を与えようと試みてくれている。大学生・院生の私にとっては衝撃的な本であった。
また、「大きく考えるために忘れてはならないこと」として、1,自分を過小評価しないこと。2,大きく考える人に特有の言い回しをすること。(大きくて、明るくて、元気の良い言葉を用いる。)3,あなたのビジョンを伸ばすこと。(どうなっているかではなく、どうなり得るかを考える。)4,あなたの仕事(勉強)について大きな視野をもつこと。5,些細なことにこだわらないこと(注意を大きな目標に向けること)としている。何度も読み返すことで、少しずつ体に染み込んでくる感じがした。
この本は今でも入手することができる。私にとって、この「本との出会い」が、心のエンジンに火をつけ、自分の骨格をつくり、現在の心の支えになってくれているように思う。
皆さんも、人生に影響を与えるような、皆さんなりの「本との出会い」がきっとあると思う。それらの「本との出会い」を大切に、そして「本との出会い」を楽しみにして欲しい。