高女新聞「卒業生へのメッセージ」

 卒業生へのメッセージ「社会に翔び立つ高女生へ」

高崎女子高等学校長 丸橋  覚

 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。高崎女子高校を卒業して社会に翔び立つ皆さんに対し、私が考えるこれからの人生を生きていく上で大切な心構えを2つ、餞の言葉として贈りたいと思います。

 まず一つは、生涯を通じて「変身」を続けて欲しいということです。

 人生100年時代、リンダ・グラットン教授は著書「ライフ・シフト」の中で、大学生までの教育-仕事-引退という3ステージの人生から、仕事・学び・遊びのバランスを取りつつ柔軟に人生を組み立てていくというマルチステージの人生へ様変わりすると予測しています。皆さんが活躍する社会は変化が激しく、一生ひとつの仕事をまっとうする時代から、キャリアチェンジを繰り返し、生涯を通じて「変身」を続ける覚悟が問われる時代へと大きく変わっていくことでしょう。人生100年時代、固定観念に縛られず、人生でやりたいことを一つひとつ順番にぜんぶやる!そんな人生を送って欲しいと思います。

 そしてもう一つは、一番会いたい人に会ってリアルタイムで刺激を受けることです。公立高校からハーバード大学、ジュリアード音楽院に進学したバイオリニスト廣津留すみれさんは、著書「私がハーバードで学んだ世界最高の考える力」の中で、各分野の最先端で活躍している人に直接会って、リアルタイムで話を聞くことを勧めています。「私なんか相応しくないのでは」なんて思わなくて良いと思います。高女生であれば誰でも各分野の一流人と会うに相応しいはずです。ただ、自分と相手の方が双方ともWin-Winの関係になるためには、日頃から相手の方にもメリットとなるような得意分野のアセット(資産)を磨いておくことは重要です。自分は、自分で思った以上に価値があると思うくらいでちょうど良いと思います。臆さず一流人の門をたたいてみましょう。